天使は夢を紡ぐ II（男主）【MASHLE】 (ページ32)

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マッシュくん凄っと思いながら先読みで見ていると彼がやばいマスに止まってしまったことを察知し顔があおざめる。

「えーっと…"魔法が使えないことがバレて処刑。ゲームオーバー"」

あ、あちゃー…こりゃ、結構やってる側にもメンタルに来るやつだな…

「ナハハハハッ！ゲームオーバーって…笑うしかねえ！笑うしかねえよ」
「なんじゃこのすごろくは！」
「グラビオルグラビオルグラビオルグラビオル」
「「やったろうやないかい！」」

周りの騒ぎ声を聞きながらそっとマッシュくんの止まったマスを見直す。こうはならないように。レグロさんの言う通りずっと続けばいい。この楽しい日々がだからこそ…続けさせないと…そう思いながら深く息を吸った。

『大丈夫だよ。ゲームオーバーすら筋肉でぶっ壊しちゃお？』
「Aくん…」

マッシュくんの頭を隣から撫でる。座り込んで顔を伏せてるからどんな顔かは分からないが何となく元気だしてくれたらいいなと思いながらみんなでやり直ししよう！と声をかけた。
しかし再びマッシュくんの止まったマスはゲームオーバーだった。

「やっぱ冷静を装ってるけど内心気が気じゃないんだな」
「そりゃそうだよ。何も悪いことはしてないのに」
『生まれてきたってだけで処されちゃうようなことだからね…』
「私だったらきっとこの社会を恨み続けちゃいますよ」

みんなで話しながらそっとマッシュくんの出ていった扉を見つめる。
魔法で全てが決まってしまう社会。そんな中で魔力を持たない者は前例なく処されてきた。つまり、処されて当然だと周りからの視線では言われているものだ。
そんな中生き続けるのは相当辛いのだろう。
でも、でもやっぱり例えそうだとしても抗おうとしているマッシュくんを見捨てる訳にはいかない。何よりここのみんなといることがとても楽しいと思ってしまうんだ。

お母様の言いつけよりも今の友人を大切にしたい。
彼らと共に居れるのならば僕は今後お母様とお父様から何と言われようとどんな教育が待ち受けようが構わない。
そんなことで恐怖するよりも今は彼らが離れる方が怖いと思ってしまうほど僕は彼らに絆されていた。