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彼の言葉にさらに目を丸くする。本当にお人好しすぎる。僕の責任で取られたというのに。僕自身が弱いから取り返せなかったというのに。


『本当に僕ってば情けないなぁ…』


気づけばそんな言葉が小さく零れていた。


「言うだけのことはあるね」
「どうも」
「まあ…それ以上の感想はないけど」


アベルが少し手を動かすとマッシュくんは自分を殴った。その後も繰り返すように自分を殴るマッシュくんを見ては何が起こってるんだと思考を回す。
すると次の瞬間マッシュくんについている糸が視認出来た。しかし同時に彼は彼自身の首を絞めようとしていたが糸はちぎれた。


「ごめんよ。これじゃああまりにも一方的だ。趣がない」


すると隣から人形になったフィンが現れたのと同時に首筋に妙な痛みを感じる。上を見るとそこには先程の球体があった。
それと同時に魔力が少しづつ失われてゆく感覚がする。これ、持って30分ってところかも…なんて思いながら糸をちぎろうと手を動かそうとするが上手く動かせない。


「フィンくん…」
『…フィン』
「君たちの友人だろう。少し面白い気がして捕らえておいたんだ。トゲトゲの友人は負傷がひどくて使い物にはならなかったが。ぜひ面白いもの見せてほしいな」


フィンがマッシュくんに攻撃をしようとしたのを見て立ち上がろうとするが同時に激痛が走る。なんとか歯を食いしばって声をあげないようにする。


「君は動かない方がいいと思うよ。その魔法の糸には君の魔力を吸う特性と共に動いた場合激痛を伴わせる役目をもたらしているんだ」
『…へぇ』


まずい…これじゃあ本格的にマッシュくんのサポートに行けない。どうしたらいいんだなんて考えているとマッシュくんがフィンくんの攻撃を受け止めた。


「ん?手出ししていいなんて僕言ったかな?申し訳ないけど手出しは禁止だ。君がルールを守れないのなら彼はバラバラになってしまう。それと同時に…そこの友人の魔力も全て吸い取ろうか」
「そうですか。そういうことするですかあなた」
「まあ君が友人をバラバラにしてもいいんだけど。じゃないと…先に君が壊れちゃう。できないかい?切り捨てるという選択が人は誰しも善人でありたいと思うものだからな。だが僕はそれがウソだと言っているんだ」

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作者名:しろねこのみみ | 作成日時:2024年3月17日 12時

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