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あいつだけなんかすごいみたいなことになったけど僕が気に食わなかったから無視無視。隣でランスくんを妬むようにドットくんが奇声を上げてたのも可哀想だからなかったことにしよう。
「君は測らないのかね？」
「えっ」
店主さんに声をかけられたマッシュくんをみて少し焦る。マッシュくんは魔法が使えない。つまり魔力を持っていない。測る魔力もないとなれば杖だって見つからない。
「じゃあ一応」
言葉を述べて動き出したマッシュくんに驚く。
あなた魔法使えないですよね！？自覚してるんですよね！？そう思って彼が手をのばすのその先に落ちている杖を見つけた。
「なんですか？あの杖1つだけ落ちてる」
そう言った彼の目線の先にある杖を見るとガタガタと震えだした。
「えっ怖っ…何？」
「あれか。あれはこの店に古くからある杖でな。なんせ重たくて誰も持つことができないんじゃ。あの杖の下にはエルフの水が湧き出ているとされていてのう。その水を使えば素晴らしい杖が作れるとされているのじゃが…まああくまで言い伝えじゃ。どんな力自慢や魔法でもその杖を持ち上げた者はこの千年現れなかったからのう」
店主さんの言葉を聞いて思わずマッシュくんを見る。やりかねない、彼ならばその杖を持ち上げることをやりかねない。やばい、まずい。
「ダメだじいさん！こいつにその発言は…」
『す、ストップです！まじで大変なことになりますので…』
「何も分かっちゃいない！」
「ん？どういうことじゃ？」
杖の近くに行ったマッシュくんは屈むとその杖を…持ち、上げ、た………
地面から湧き水のようなものが溢れ出てくる。
マジでやったよこの人！！！
「じゃあこれもらいます」
「ああ…あっあああ…」
言葉を失ったのか店主さんはあしか言えなくなっていた。
「ありがとうございます。その杖はお譲りします」
「やった」
怖すぎるなんて思いながら店を出る。その時に何故かランスくんが杖を買わなかったことに少し驚いていた。
するとそこにレモンちゃんとトム先輩が現れた。
「すみませ〜ん！家の用事が長引いちゃって」
「俺も竹の世話があってな」
「レモンちゃん、先輩」
「よっしゃ！遊ぶぜ〜！」
ドットくんの言葉を聞いてから様々なところに行って色んなものを買ったり食べたりした。巨大なシュークリームだったり服を見たり、写真を撮ったり、夕暮れまでみんなではしゃいでいた。もちろん、当然体力のない僕は死にかけていた。
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作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2024年3月17日 12時
