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天使と母親 ページ23

「ということがあったわけですよ」


マッシュくんの説明に悩むように顎に手をつく。彼の言い方だとあくまでマッシュくんは無邪気な淵源をおびき出す餌のようなもの。でも適任なのかもしれない。彼が無邪気な淵源と関わりがある以上神覚者たちはそれを利用したがるだろう。それに何より僕は何も言われていないけど僕の方も無邪気な淵源側の人間と繋がりがあるかもしれない。


「無邪気な淵源。そんな危ない組織に関わらなきゃいけないなんて…」
「お前魔法が使えなかったのか」
「うす」
「本当に使えなかっんだな」
「うす」
「そうか。じゃあ遊びに行くか」
『い、いきなりだね…』
「えっ!そうなる?」


ドットくんの発案により遊びに行く日が決まった。しかしその日は一度実家に帰らないとならない日だった。集合時間を遅らせてもらいなんとか間に合うようにしたが正直不安でしかない。お母様になんて言われるんだろう。なんて心配しているとその日になっていた。


『お、おかえりなさい。お母様』
「あら、帰ったのね。うん、今日もちゃんと"かわいいになれてる"のね」


お母様が僕の左頬を撫でる。僕の線に合わせて沿われるように撫でれる感覚にゾッとする。
どんな言葉が飛ぶんだろう。何を言われるんだろうと内心緊張しながらも表情では笑顔を取り繕う。


「そういえば今日お友達と遊びに行くのよね。やっぱりそのお友達って頭がいい秀才な子かしら?あなたはいい子だからそういう子としかつるまないのは分かっているけれどもね」
『う、うん。とっても頭がいいんです。実力もかなりあって…今日は参考書を買うために出かけようって話をしてたの…』


嘘をつきながら両手を自分の後ろで組む。その腕は若干震えているがバレないようにする。
本当はそんな事ない。頭の良さなんて下の方の子だっているし実力もそこまで無い子だってもちろんいる。もし嘘だとバレたらそんなことを考えるが今の状況に集中しろと脳に指示を出す。


「そうよね。もう、フィン・エイムズみたいな出来損ないとは絡まないわよね?あなたは"いい子"だからどういう子と関わるべきか分かっているわよね?」
『…もちろんです。お母様』


少しずつ息が奪い取られるよつに呼吸が浅くなっていく感覚がする。この瞬間がとても窮屈で逃げ出したいと思ってしまう。前まではこんな感情抱かなかったのにと不思議に思う反面自身の母親に的確な恐怖心を抱いていた。
頼むから早くこの場から去らせてなんて願っていた。

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作者名:しろねこのみみ | 作成日時:2024年3月17日 12時

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