↓ ページ19
「ウワサになってるぞ。大問題だぞ」
『行こう。マッシュくん』
このまま彼と話していても埒が明かない。そう思った僕は壊れたようなマッシュくんのフードを持って彼を引きずるようにしてその人の横を通り過ぎた。
「おいフィン。魔法を使えない者をかばうとお前まで罪に問われるぞ」
彼から言われた言葉に思わず足を止めてしまう。
「虚偽の報告をすれば最悪退学になっちまうかもな。なぁフィン。なぁマッシュは魔法が使えないんだろ？ウソつくのか？フィン。そんな魔法も使えないよどんだ血をわざわざかばうのか？フィン」
『うるさい！僕が誰と一緒にいようが君には関係ないだろ！』
マッシュくんをバカにされたことに少し苛立ちを覚えて振り返る。めっちゃ奮い立ったのに…なんかメリ込まれてるし…と若干何があったんだと引いていた。
『「あっ」』
『あれは…ランスく』
「シスター・コンプレックス」
「いきなり何しやがんだ！」
「お前が俺の気に障った。それだけだ」
ランスくんの言葉に彼は悔しそうに言葉をこぼす。
「わ〜い。シスコンばんざ〜い」
『ランスくん』
「気に障っただと？てめえ！」
怒りを顕にした彼の頬に唾がついていた。
「あっ」
『あれは…レモンちゃんと…ド…ド…ドットくん！』
曲がり角から泣いているレモンちゃんと包帯で全身ぐるぐる巻きにされて車椅子に乗っているドットくんが現れる。一体、何があったんだと思っているとレモンちゃんが泣きながら説明を始めた。
「どうやらドットくんは見た目以上の大ケガだったらしいんです。あばら6本、頭蓋陥没、両腕両足複雑骨折、血まめ、やけど、内蔵複数損傷」
レモンちゃんが説明している間ドットくんがなにか話そうとしているのかくぐもった声を出しながらぺっぺっと唾を吐いていた。それと同時にドットくんでこんな大ケガならばそれに準ずるぐらいのフェルは大丈夫だったのか？と考える。
フェルのことだから本当は大ケガだけど言ってないだけかもと思ったがさっき全力で走っていたあたり心配は要らないのかも？と考える。でも彼も結構、普通じゃないからな…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2024年3月17日 12時
