マッシュくんと魔法…？ ページ16
おかしすぎる、あまりにもおかしすぎる。
『あ、あははは…あははははは』
「状況がよく分からなさすぎてフェルが壊れちゃったよ！それに…もうファンタジーじゃない？それって…」
「もうファンタジーじゃない？」
『も、もう…ファンタジーじゃないの…？』
「ファンタジーだろ。それはもう…」
やばい頭くらくらしてきたなんて思いながらフラフラとしているとフィンが支えてくれた。魔力もほとんどないしマッシュくんに関して疑問だらけだし…なんて思っていると相手には全く効いていないみたいだった。
「なっ…全然効いてない！」
マジか…と顔を引き攣らせていると彼の後ろがひび割れのように割れ空間が割られた。
「あっ！」
「なんだありゃ！」
彼の後ろから蜘蛛の手のようなものが現れる。
それは彼を囲むように現れてやがて掴まれた彼はその空間に入りながら言葉を連ねた。
「今日は思わぬ収穫だ。君に出会えたからね。僕の名前はセル・ウォー。急用を思い出したから帰るよ。まあまたすぐに会うことになると思うけどね。バイバイ」
「帰ってくれるなら帰ってくれるでありがたいな。さっ仮面さんを病院へ連れていこう」
「それなら心配には及ばない。君がくれたハンカチのおかげで大事にはならなそうだ」
「こ…今度シュークリーム。ごちそう…してください」
「仮面さん」
「アビスは僕が責任を持って送り届ける」
アベルの人形に抱き抱えられているアビスを見ては大事にはならなくて良かったと若干ながら安心した。
「礼を言う。マッシュ・バーンデッド。この借りは必ず返す」
アベルが居なくなり内心ホッとする。正直に言うと絶対お腹の傷が開いている気がする。めっちゃ痛いもん。
「一件落着ですな」
マッシュくんの言葉を聞いてはズルズルと力が抜けて床に座り込んでしまう。ああ、魔力切れだし傷口は開くし新しい傷は出来たし。何よりも本当にもう、疲れた…
「フェル、大丈夫？」
『一応大丈夫ではある。ただまぁ…力抜けちゃって…えへへ、立てそうにないや…』
困ったように笑っているとマッシュくんが来ては何故か横抱きにされた。いや、え？
「とりあえず一件落着だな！じゃねぇよ！お前今までの魔法じゃなかったのか？」
『魔法無しであれかぁ…怖っ…』
「逆にすごいですけど、これ周りに知られたらマズいんじゃ…」
「ヤバいよマッシュくん！退学じゃ済まないかもしれないよ！」
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作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2024年3月17日 12時
