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でも素直な自分を受け入れて貰えたら多分…相当嬉しいんだろうななんて考えが思い浮かぶ。
「仮面さんもシュークリームが食べたいと思うんで」
マッシュくんが音を立てて炭素を割ったのと同時に僕の方も一通りの炭素を破壊する。息切れが激しい。魔力の使いすぎが頭をよぎるがまだこんなんじゃ終わらないのだろうと思うとどうにか呼吸を落ち着かせようと小さく深呼吸をする。
「往生際が…カーボレイン」
再び繰り出された炭素にうんざりとするがマッシュくんが諦めず粉砕を続けている以上僕までも頑張らないとなんて思いながら再び詠唱をして広範囲に攻撃魔法を出す。
「ア…アベル様」
「アビス…」
血を吐きながらアベルに声をかけようとするアビスを横目で見る。正直そんなことをしてる余裕は無いがこれも今後のため、何かあった時のためと考える。
「く…ください。に…逃げてくだ…さい…」
彼の言葉を聞いて本当に心の底から逃げて欲しいと願ってしまう。この状況で動けるのはアビスだけ。ならば本人だけでもそう思いながら捌ききれなくなった炭素をうまく避けながらフィン達に当たりそうなものだけを捌くようにする。
時々頬をかすめる炭素があるがそんなもの気にしてられない。
マッシュくんの方も捌き切るので精一杯なのか相手との距離を縮められていない。
「アハハハハッ！さばききるので手いっぱいか？不憫不憫不憫不憫！早くしないと時間来ちゃうよ。それに君の方も魔力切れるんじゃない？」
「マッシュくん…フェル…」
そんなの僕がいちばん理解してる。マッシュくんが相手を倒すよりも先に僕がダウンしそうだってことも。本当は固有魔法を使えばいちばん早いけど…あんな魔法、使いたくもない。
そんな意地のようなものが邪魔していた。
「そろそろ飽きたよ。カーボヘビィレイン」
こちらへの攻撃を極端に減らしマッシュくんの方への攻撃を増やしたのかマッシュくんの方が手いっぱいになってしまっている。僕の方は多少やりやすくなったがさらに硬さが増していて魔力の出力を上げないとまずい状況になってしまった。
「あっ…マッシュくん！」
攻撃を一通りさばききるタイミングでフィンがマッシュくんを呼ぶ声が聞こえて急いでそちらに目を向ける。するとマッシュくんの前に複数の炭素が飛んできているのが見えた。いくらマッシュくんでもあれを一瞬で片付けるのはきつい…そう思った瞬間だった。
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作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2024年3月17日 12時
