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相殺しきれず飛ばされた先で座るように地べたに着地する。地味に打った場所が痛い。
「痛えな…てめえ何すん…あっ！」
ドットくんの言葉を聞き目を開けるとそこには確かに威圧感を含ませながら僕らに目線を合わせず真っ直ぐと前を見据えていた金髪の人がいた。彼は宙に浮いた状態のまま真っ直ぐと進んでいくその光景を唖然と見つめていた。
彼はアベルの前に着くと地面に足をつけた。
「ん？なんだ？この傷は。誰かに負けたのか？フッ…この学校ですら一番になれないなんて情けないなお前。まぁでも感謝はしてるよ。ウォールバーグ校長に関する情報収集」
彼の不穏な雰囲気に吐き出される言葉にどこか恐怖心を増す。
一体何が、というか彼は一体何者でなんのためにここにいるんだ？そもそも生徒ではなさそうだしなんて思っているとアベルは自分の手を首に持っていき自身の手でその息の根を止めようとしていた。
「人探しのほうはうまくいかなかったけど。実はさもう必要がなくなったのさ。お前のこと」
「じゃあ打ち上げはオレンジジュースとシュークリームで…」
突如現れたマッシュくんによりその緊張感が無くなり自分の中に張り詰めていた空気が軽くなる。ホッとしているもののなんで彼は山積みになったシュークリームを持っているんだろうと考える。
「あれ？なんか雰囲気が…」
「マッシュくんマズいですよ。今そういう感じじゃないんで…」
「てかそのシュークリームどこから持ってきたの？」
フィンの言う通りどこから持ってきたんだろうなんて考えているとマッシュくんの様子がおかしいことに気づいた。なんかふぇって言っているような…
「クシュン！」
くしゃみの勢いで持っていたシュークリームが前進し金髪の人の頭につけていた棘の冠に見事に刺さる。シュークリームの冠の完成だなんて思いながら冷や汗をかいていた。これ相当やばい状況になってるんじゃ？なんて思っているとシュークリームが1つ落ちた。ちなみに誰も声を発してないから変に笑うことも出来ない。しかしひょんな出来事のおかげかアベルは魔法から抜け出し一命を取り留めた。
「あの…申し訳ないんですけど、食べるんで返していただきたいです」
マッシュくんの言葉に思わず目を丸くしてぽかんと口を開ける。いや、いやいやいやそうじゃないじゃん。あの状態のシュークリーム食べないだろうし普通に強そうな人にそんなこと言うの？いや、強そうじゃなかったとしても違うこというよね…？
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作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2024年3月17日 12時
