マッシュくんと弱肉強食の思想 ページ2
マッシュくんが来てくれたことにより少しだけ安心感を覚えていた。
「正直驚いたよ。アビス…彼の悪魔の目に対応する学生がレイン以外にもいたなんてさ。神覚者レインより魔法が使えるなんてことは考えられないが。もしかして君…」
悪魔の目…つまり魔法無効化の目を持っていたのかならば僕があの時攻撃をしようとしたのに通用しなかったのも頷ける。
でもマッシュくんはどうやってそんな彼に勝ったんだろうと不思議に思いながら彼を見つめると彼は両手で口元を抑えていた。あ、多分言いませんよって感じ出てるんだな。
「急にどうしたんだい？」
「いや、あの…なんでもないです。続けてください」
「君はかなり有用な人材のようだね」
アベルの言葉に安心したように一息つくマッシュくん。なんかアビス戦での勝ち方異常なんじゃないかとか思ってしまう。
「だが君のような優れている人間なら分かるはずだ。この世が真の平等じゃないことに。前も言ったろ僕たちの本質は獣だ。僕は許せないんだ。劣等遺伝子がね。享受する立場であるのに優しくするとつけあがり己の権利だけは主張する。ずうずうしいと思わないか？そこで横たわっているその子もそうだ。弱い立場であるのに僕から奪われた級硬貨を取り返そうとした。弱者は強者に享受するべきだと知らないのかい？」
彼の言葉に悔しくなり歯を食いしばる。何も言えない、彼に負けてるから現状僕がそれに反論するなんても出来ない。
「わざわざお荷物を抱えていく必要はないんだ」
「あの…それってつまり魔法が使えない人とかは…」
「ああ、そうだ。処分する」
「ガーン」
「現状はなまぬるい隔離をしているだけだ。僕はその仕組みを変える。もちろんその他落ちこぼれも。そいつらをかばう人間もだ」
そんなことされたら余計に格差社会が生まれてしまう。現状でもなっているのに。それじゃノブレス・オブリージュが…そう思いながら立ち上がろうとする。しかし上手く立ち上がれない。
「そうですか。分かりました。それはちょっと困るんでやっぱ、あなたとは仲良くできなさそう」
「そう…理解できないんだね。君は頭が少し劣っているようだ。劣等遺伝子は処分しなきゃ。そこの君もね」
そう言うとマッシュくんの頭上には銀色の人形がそして僕の頭上にあった球体までも動き出した。球体は1本の線のような糸を下げて僕の方へと向かってくる。
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作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2024年3月17日 12時
