天使と人形使い ページ1
「地面に飲み込まれて…」
「この子だけは…この子だけは…」
「これは俺たちをもう逃がさないという敵の意志の現れ…」
『きゃー！僕のかわいいお顔が汚れちゃうかも〜！あ、それよりも助けて〜！誰か〜！の方が可愛いのかな？』
「沈む〜！沈んじゃう！ひゃあああ」
口々にものをいいながら大人しく沈んでいく。どぷりと音を立てて沈み落ちた先に無事着地をする。そこは薄暗い場所のような所だった。
「いきなりで失礼したね」
『あなたは…』
「僕はアベル・ウォーカーだ。よろしく頼むよ。」
目の前の彼を睨むように見つめる。
『あなた、七魔牙のトップ…ですよね？』
「うん、そうだね。君の予想通りだよ」
やっぱりそうか。そう思いながら杖を出す。彼がこの七魔牙のトップ…つまり第一魔牙。ならば僕が奪われた金の級硬貨は彼が持っているのだろう。だとしたら今ここで戦う以外の選択肢は無い。そう思いながら杖を構える。
『あなたには沢山の借りがありますから、返してもらいますねっ！ナルコスっ！』
球体をいくつか出しそれを彼に向けて放つ。
しかし意図も容易く避けられてしまう。それに関して予想どうりだと思いながら動き出した人形の攻撃を避ける。そして１箇所にまとめると基礎魔法で人形を破壊した。中から黄色を纏った液体物が出てくる。慌てて避けると僕のいた床が音を立てて溶け始めた。
『これ、酸ですか…中に仕込んでるもの怖すぎませんかね？』
「これも君たちを倒さための一手にすぎない。まあ、察しのいい君には効かなかったようだけどね」
そう言いながら次の一手のように人形が放たれる。
再び魔法で対処しようとした時だった。背後にいた大きい人形にきづくのが遅かったのか大きな衝撃音がその場で響き渡る。
体全身が痛い。上手く体が動かない。そう思っていると彼が目の前に来る。
「そういえば君、まだ級硬貨があるんだよね？僕にくれないかい？」
『っ…いやですよ。誰が渡しますか…』
「…そうか。ならば」
何が来るんだと思っていると僕の頭上に小さな光の球体が現れた。ああ、これ本当にまずいかも、そう思って目を瞑った。
申し訳ないけど僕じゃ圧倒的に力不足だったのだろう。力になれなくてごめん、そう思った時だった。衝撃音と共に扉から誰かが入ってきた。
『マッシュ、くん…』
「毎回ドアを壊して入る必要はあるのかい？」
「ノックしようとしたら…こんなんになっちゃいました」
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作者名：しろねこのみみ | 作成日時：2024年3月17日 12時
