検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:103,535 hit

日常380 少女の居場所 ページ33

「ただいま戻りました。」

30分後くらいだろうか、三郎が帰って来た。
自室に荷物をおいて、手を洗って、飲み物を取るためにリビングにやってくると_

「…は?」

三郎は顔をしかめた。
何故なら、

「どうして二郎とAさんが同じソファーで寝てるんだよ。」

そう、あのまま少女と二郎はソファーで互いに頭を預けあって眠っていた。一郎が見たら微笑ましいな〜で終わる光景も、三郎が見たらジェラシーしか感じない。

三郎はムスッとしながらコップの中の水を飲み干すと、自分の上着を少女にかけて_

「ふん。二郎がその気なら僕だって…」

そう言って、二郎とは反対側の少女の隣に座った。


15分後

「ただいまー!」

一郎が依頼を終えて帰って来た。
手を洗って、リビングに足を運ぶ。

「…!!」

そして座ろうと思ってソファーを見ると、一郎は思わず身構えた。

「…え、待って。」

ソファーでは、互いに頭を預け合って寝ている二郎と少女、そして座っている少女の太ももに頭を預けて眠る三郎の姿があった。
あまりにも可愛らしい光景に、一郎は推しに会った時のオタクのような反応が隠せない。一郎流に一言で表すならば『尊い』だった。

「二郎はAと普段くっつくことがない分萌えるな。三郎は、末っ子力を出して甘えているのが良い。でも、上着をAに貸しているあたり流石俺の弟。男だぜ。」

一郎は堪らずスマホのカメラを構えて写真を撮りまくった。

最近、中王区の影響で少女が山田家にいることが無かったし、龍琉の登場で少女がこの家で生活していることが当たり前では無いと気が付いたため、尚更この光景が愛おしくて仕方がない。

一郎は、1人幸せそうに微笑むと二郎と三郎の頭を優しく撫でた。
そして、ひとしきり撫でた後少女の頬に手を伸ばす。

「本当に、ありがとうな。…おかえり。」

一郎は、少女が自分たちとの生活を選んでくれたことが嬉しくて仕方がなかった。よくよく考えたら、ヨコハマやシブヤ、シンジュクとも交流がある少女には頼れる大人が多くいるのだ。
きっと彼らなら、少女が一言「住まわせてください」と言ってしまえば喜んで準備することだろう。

しかし、少女は絶対に帰って来た。このイケブクロに。この萬屋ヤマダに。
一郎はそれが嬉しくて仕方がなかった。

「よし!夕ご飯は俺が作るかな!」

一郎は毛布を二郎と三郎にかけると、腕をまくってキッチンへと移動した。

日常381 お昼寝終了→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (165 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1250人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いもけんぴ(プロフ) - あきえさん» あきえ様、コメントありがとうございます。とても嬉しいです!!左馬刻様ですね!お任せくださいませ!私も、実は左馬刻様が最推しです… (2022年7月10日 0時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
あきえ(プロフ) - 初め芋けんぴ様の作品大好きで読ませて頂いています!あまり無理しない範囲で更新お待ちしています!(出来たら、出来たらで良いので!左馬刻様の登場!!よろしくお願いします!!) (2022年7月9日 21時) (レス) @page50 id: 7956ee69df (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - 蒼井とーるさん» 蒼井とーるさん、お久しぶりです!コメントありがとうございます。お褒めの言葉も嬉しい限りです!私も、蒼井さんの反応集好きで、読ませていただいてますよ! ポッセのお茶会、良いですよね〜。絶対平和です。 (2022年7月9日 0時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井とーる(プロフ) - 今回も最高でした…!ポッセのお茶会に混ざりたい今日この頃です。 (2022年7月8日 10時) (レス) @page49 id: 90146b8ac1 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - なのはさん» なのは様、コメントありがとうございます。お返事が遅くなり申し訳ありません。パスワード設定の作品の公開はもう少しお待ちいただけますと幸いです。更新も、私生活が忙しくままならない事を申し訳なく思っております。 (2022年6月25日 10時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年6月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。