人間洗浄機９

番外編：ホワイトデーにお返しを <大遅刻です> ページ36

一郎の場合

「A、ちょっと良いか？」
「どした？」

一郎に呼ばれた少女がキッチンを覗き込むと甘い匂いが鼻を掠める。
摘まみ食いをさせてもらえそうな気配を察知した少女は、嬉しそうに一郎の元へ近づいた。

「今日、ホワイトデーだろ？大したもんじゃねーけど…。」

一郎はそう言って冷蔵庫からお皿を１つ取り出した。
少女が興味津々に覗き込むと、２層になっているチョコレートが。

「手作り？」
「おう。」

１粒摘まんで口に入れる。
とろりと溶けて口の中に程よい甘さが広がった。

「キャラメルチョコだ！美味しい！」
「良かった。」

少女が嬉しそうに２つ目に手を伸ばすと、一郎は安心したように微笑んだ。

結果：キャラメル
「いつもありがとう。」
意味は＜貴方は安心できる人＞


二郎の場合

「ん！」

二郎が学校から帰って来るや否や、少女に詰め寄る。
そして、少女の目の前に可愛らしい紙袋を差し出した。

「もしかして、ホワイトデー？」

問いかけると、二郎は顔を真っ赤にして頷いた。
少女はくすりと笑いながらその紙袋を受け取る。

「ありがとう、二郎。…キャンディー！？」

中身を見ると、可愛らしい小瓶にカラフルなキャンディーが入っていた。
その意味を知る少女は二郎を見ながら目を見開く。

「お前！知ってんのかよ！うわー…。」

少女がにんまり笑って二郎を見ると、二郎は顔を真っ赤にして座り込んだ。

「同じクラスの女子が話してたんだよ！好きな人には飴を渡せって。…お前普通に良いヤツだし、その家族として好きだから。」

「ふふふ。私も好きだぞ。」

少女は満更でもなさそうな表情で飴を一粒口に放り込んだ。

結果：キャンディー
「好きって、レンアイだけじゃねーだろ！」
意味は＜貴方が好きです＞(親愛)


三郎の場合

＿＿コンコン
少女の部屋にノックの音が響く。
ドアを開くと、

「三郎？どうした？」
「…えっと、その。」

三郎が少しもじもじしながら立っていた。
手は後ろに回され、何かを隠しているように見える。

「Aさん…これ、ホワイトデーです。」

三郎は頬を赤く染めながら、少女にカップケーキを差し出す。

「…手作り？」
「はい。昨日の夜、一兄に教わりながら…。」

三郎が窺うように少女を見つめる。
少女はその視線に答えるようにラッピングを外して頬張った。

「！美味しい！」

その味はキャラメル味だった。

結果：カップケーキ
「…僕の中では特別ですから。」
意味は＜貴方は特別な人＞

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