日常230 突然の電話 ページ18
「さて、行こうか。」
「お願いします!」
少女が助手席に座るとエンジンがかかり、車がゆっくりと動き出す。
駐車場から出ると、もう夜になったシンジュクの街が車の窓の向こうに流れる。
今夜もネオンがぎらつき、窓を覗く少女の顔を照らしていく。
「寂雷さん、今度お礼しに伺いますね。」
「おや、別に良いんですよ?」
「えぇ!それじゃあ、私が腑に落ちません!」
「そうですか?…では、今度お食事でもどうですか?」
「それでよければ、是非!」
「ふふふ、きっと一二三君と独歩君も喜ぶよ。」
車に乗りながら穏やかな会話をする少女と寂雷。
もうすぐシンジュクディビジョンから抜け出す、といったときに
_prrr…prrr…
少女のスマホが鳴り出す。
「?誰だろう。こんな時間に。」
少女が疑問に思い、差出人を見ると、
「独歩さん…?」
<観音坂独歩>の文字が。
「寂雷さん、電話に出ても良いですか?」
「えぇ、勿論です。独歩君が…どうしたんでしょう。」
少女が許可を取ると、寂雷も心配そうな表情をする。
_ピッ
「もしもし、Aで_」
取りあえず電話に出ると、
『あぁぁぁぁ!Aか!?良かった!ちょ、もし、人が!!えっと、あの!』
「ちょ、ちょちょちょ、独歩さん!?落ち着いてください!」
「ど、独歩君。どうしたのかな?」
電話の先には、落ち着きの無い様子の独歩が。
あまりの慌てように少女も驚き、落ち着くように声をかける。
独歩の声量が大きく、寂雷にも聞こえていたようで、寂雷も心配そうに声をかけた。
『え?その声は…先生!A、先生と一緒なのか?』
「はい。ちょっと諸事情ありまして。」
_寂雷さんの声を聞いた瞬間、落ち着きやがった。何か悔しい!
少女に電話をかけた割に、寂雷の声で落ちつた独歩。
少女は軽くジェラシーを感じる。
『…人が。知らない人が…』
「人がどうかしたんですか?」
独歩が安心できるように、少女が優しく問いかけると、
『し、知らない人が部屋で死んでたんだ!』
「ひ、人が部屋で死んでた!?」
独歩から受けた答えは衝撃的すぎる物だった。
今度は少女が慌てだす。
『お、俺、どうしようもなくて、その、一二三が今から帰ってくるんだけど…それまで不安で!って、何で俺は年下のAにこんなこと言ってるんだ!?不安にさせるだけだろ!?』
電話の向こうでは独歩が1人、嘆いている。
一部始終を聞いていた寂雷は、一度頷き口を開いた。
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きな粉もち - いもけんぴさん» ご返信ありがとうございます。楽しみに待っています! (2022年10月29日 18時) (レス) id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - きな粉もちさん» きな粉もち様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - くりゅさん» くりゅ様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
いもけんぴ(プロフ) - れんさん» れん様、コメントありがとうございます。いずれ、全体公開を考えているため、もう少しお待ちいただけますと幸いです。申し訳ありません。 (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉もち - 人間洗浄機シリーズ、いつも楽しませていただいております!8以降のパスワードを教えていただけないでしょうか? (2022年10月26日 16時) (レス) @page47 id: 7285b7d776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:芋けんぴ | 作成日時:2021年1月17日 19時