【平和組】社内恋愛 in SPRING

第27話 ページ28

〜レトルト Side〜


in 映画館


チケットを買って、ポップコーン片手にはしゃぐAちゃんと笑いながら思い出していた。

数週間前に流れたあの噂を…。


・


ずっとAちゃんが好きだった俺には衝撃が大きくて、キヨ君に直接聞きに行った。

「…キヨ君ってAちゃんと付き合っとるんか？」

出来るだけいつも通り少し笑いながら…冗談っぽく聞いてみる。

キ「…ただの噂だよ、たまたま会っただけ。」

キヨ君は悲しそうな表情で、素っ気なく言った。

…結構長いことキヨ君とは友達としてやってきた。

だからわかる…本当にただの噂だったんだなと。

それと、

…やっぱりキヨ君もAちゃんの事が好きなんだな…って…。

嫌でも気付いてしまう。




…苦しい。

大切な友達と、好きな人が同じになった。

…すごく焦ってる自分がいる。

もしも取られたらって…。

そうしたらもう…二度と今のような関係にはなれない気がして怖い。

…出来る事なら今すぐAちゃんに思いを伝えたい。

俺の特別はAちゃんになって、Aちゃんの特別も俺だけがいい…。


・


・


…だけど、それもただの夢でしかないのかもしれない。


恐怖やら焦りやら…いろんな感情が入り混じって、訳がわからなくなる。


…しかし、その中でも明確なのは

初めて好きになったAちゃんを誰かに取られるのが嫌だ…ってこと。

…キヨ君とは全力で戦いたいってこと。


・

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