【平和組】社内恋愛 in SPRING

第13話 ページ14

〜つわはす Side〜


『…おはようございます…！』

と、ドアの開く音と共に聞こえてきたのは先輩の声。

俺も返そうかなって息を吸ったら、キヨ先輩の方が一息速かった。

見た感じ仲良さそうに話してる。

昨日までは二人ともあんなによそよそしかったのに…


そこでふと頭に浮かんだのは、昨日の夜のこと。

二人きりで帰った訳だし、距離を縮めるような出来事があったのかも知れない。

…何故か無性に気になった。





俺は先輩の彼氏でもないし、友達と言えるかどうかも怪しいところ。

昨日初めて会ったのに、何でこんなに気になるんだろ。

俺が入る前に、二人は仲良くやっていたのかも知れないのに。

…(人1)先輩とキヨ先輩は付き合ってるかも知れないのに。




何も知らない俺が…何でこんなに悩んでる……？




『…おはよ、つわはす君。』

先輩の声で我に帰った。

心配そうに俺の顔を覗き込む先輩。

つ「…おはようございます、先輩。」

それに答えるように、笑顔で言ってみた。

それを見た先輩は、元気そうでよかった、微笑んで仕事場に戻った。


ほんの少し話しただけだけど、っていうか挨拶しかしてないけど…

それだけなのに、さっきみたいな変な感情は消えていた。

…俺って単純だな、なんて思うけど。


でも、先輩は何か特別な雰囲気を持っている。

だからだと思うけど、俺は先輩と話している時が楽しいと思える。

女の人と話すなんて久しぶりだし、話したいとも思わなかった。

だけど、先輩とは話したいし…一緒に笑いたいって思った。


・


こんな気持ち、初めてだ。


・

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