第10話 ページ11
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キ「…」
『…』
…どうしよう、この沈黙。
あのあと、すぐに私達は居酒屋を出た。
本当だったら、数分歩いて駅に着いて…電車であっという間に帰るつもりだった。
…なんだけどさ、私…絶賛酔っぱらい中でして…。
電車に乗ったらよろしくない物が確実に込み上げてくるであろう状態なのです。
それを言うと清川さんは、そっか…何かあったらすぐ言いな、って心配してくれた。
…だから尚さら申し訳ない…。
駅5つ分を歩くことになり、二人きりでいる時間が長くなったことになる。
出来れば普通に会話ぐらいはしたいんだけど…
そう考えてる間も、続くのは沈黙だけ。
とにかく何でもいいから話そうと思った私は、声をかけた。
『…あの、清川さん…』
少し控えめに言うと、彼は苦笑いした。
キ「…キヨでいいよ。それと、俺ら同期なんだしタメにしない?」
確かに、私達は同い年の同期。
関わりやすい気もするが、実はまともに話したことはない。
いや、逆に先輩でも後輩でもない私達の間には、壁があったのかもしれない。
『…う、うん…キヨさん…?』
私が聞くと彼はまた笑った。
「…“さん”付けって…なんからしいね。」
一体私にどんな印象を持っているんだ…。
そう思いつつ、それなら…と割り切ってみることにした。
『…じゃあ、キヨ君?』
さすがに呼び捨てっていうのは気が引ける。
キ「うん、じゃあそれでいいよ。…俺も、Aちゃんって呼ぶからな?」
なんか完全に満足したって訳ではなさそうだけど、これ以上は私が限界。
それに…いつもレトさんに同じように呼ばれてるのに、キヨ君に呼ばれると新鮮な感じがした。
『…うん、じゃあよろしく…ね。』
キ「おう。」
一気に距離が縮まった気がする。
それからは先程の沈黙もなくなっていた。
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チョコはす(プロフ) - しおん(^q^)さん» ありがとうございます!…最近更新出来てなくてすみません…ネタ切れ状態で…よかったらリクエスト下さい! (2015年8月6日 21時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
しおん(^q^) - 凄く面しろいです!!更新頑張ってください!!丶>∀<応援してます!! (2015年8月6日 17時) (レス) id: 171e299e72 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - ありがとうございます!精一杯更新します! (2015年7月11日 19時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
にゃんここなっつ(プロフ) - チョコはすさん» いえいえ!あ、あと応援してるので更新頑張って下さいね!!( ´ ▽ ` ) (2015年7月11日 19時) (レス) id: aba29bcc38 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - にゃんここなっつさん» す、すみません!これからは気を付けます!ご指摘ありがとうございます! (2015年7月11日 19時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
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