【王騎】10 ページ10
「えぇっ!?ちょっと、王騎さん!?」
「仕事がどのくらいで終わるとか、そういったことは予め伝えて言ってもらえませんかねぇ?この3日、肝を冷やしました…」
「や、そ、そんな事より、は、離してもらえませんか!?」
腕の中でジタバタするAを
そうでしたと解放すれば
肩で息をしつつ、赤面するAが王騎を見上げていた
そんなAを見て、可愛らしい人だなと王騎は思った
「初めて会った時も思いましたが、医者なのに随分と初心なのですねぇ?コココココ」
「だ、だから…それとこれとは話がっ!」
リビングへ移動し、王騎は慣れた手つきでコーヒーを入れて持ってくる
その姿にAは唖然とした
たった3日で普通にコーヒーメーカーを使いこなし、見た限り部屋も綺麗になっていた
しかも王騎が我が家に来る前よりもずっと綺麗に
自分で言っては何だが、Aは自分がズボラだという自覚はあった
メイクも基本しないし、今日みたいに髪をボサボサにしていたって気にしない
家には大抵寝に帰るだけで、夜勤が続く日や大きな手術が立て込んでいる場合は帰らずに仮眠室に寝泊まりするのが常だった
家のことをする暇なんて無かった
仕事に忙殺される日々、それと引き換えに若くして医者としての知識や技術を身につけたのだ
だから、帰ってきてここまで綺麗な部屋を見るとは思わなかったし、同じコーヒーメーカーを使っているのにこんなに美味しいコーヒーが飲めるとも思わなかった
「すみません、これからは極力帰るようにしますね…」
「そうして下さい。帰らない日は電話というものがあるんでしょう?それで教えて下さいねぇ?」
「…なんか…」
何かを言おうとして、また顔を赤くしながら言うのをやめたA
それを見て王騎はニヤリと笑って言った
「夫婦みたいですねぇ」
それを聞いて更に真っ赤に染め上げて口をパクパクとさせるA
独特な笑いが部屋に響いた
3日働き詰だったAもまた1日休みが入り、その休みを周辺の施設や何かあった時のためにと自身の働く病院の場所なんかを案内した
帰りに食材を1週間分買い込み、帰宅
明日からは当直、日勤と続くとAは王騎に説明した
「当直の日はそのまま次の日も日勤業務があるので、疲れ果ててしまって、昼には上がれたりもするんですけど、容態の怪しい人がいれば呼び出しもあるし、そのままいつもはそこで寝泊まりしてるんですよ…」
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RUI(プロフ) - 凌さん» なかなか更新できず申し訳ありません!順次制作しようと思いますので、よろしくお願いします。( *´艸`) (2020年9月6日 11時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちありがとうございます。現代編も読んでみたいです。紫伯もお願いします。 (2020年9月6日 11時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凌さん» コメント、リクエストありがとうございます!李牧さんも素敵ですよね!現代と過去どちらがお好きですか? (2020年8月13日 23時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちでリクエストしたいです。 (2020年8月13日 16時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - もちろんです!また、お邪魔させてもらいます!リアルに夢主ちゃんと同じ位身長があり、職業はお医者さんではないですけど笑。自分と重ねて読まさせてもらいました。疲れていても家で王騎将軍が待っていてくれたらいいのにと本気で思ってしまいました笑。応援してます! (2019年9月17日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUI | 作成日時:2019年9月15日 23時