【騰 2】3 ページ35
今日もダメなの…
そう気を落とすAはあの日から何度目かのトライにもかかわらず、まだ会うことの出来ない彼に腹が立った
けれど、いつもはこのまま帰るのだが
今日ばかりはなぜかふと、隣の騰の家のインターホンを鳴らしていた
ココア友達だと言ったが、すぐに隣人の家へ上り込むのもと思っていて、あれから顔を合わせるのが気まずい…そんな思いだったのだ
程なくしてガチャっとドアが開くと、そこにはスーツ姿の騰がいた
「あぁ、Aさん。久しぶり、彼には…会えてないようだな」
Aは苦笑いを浮かべてその通りですと言うと
騰も苦笑し、どうぞと言うふうに玄関に入れるよう隙間を開けてくれた
「すまない、適当にかけていてくれ、さっき帰ってきた所で、まだ着替えてなかったんだ…」
「あ…はい。なんか、すみません」
気にするなと寝室であろう部屋から声かける騰にAはちょっぴり気恥ずかしくなった
こんな風に、彼と過ごしたこともあったなぁと思って、寂しくもなった
「待たせたか?上の空だが」
「いえ!ちょっと…思い出してまして…あ、そうだ、コレ、好きなんですか?」
「あぁ、それは…」
寂しさを誤魔化すように、心の穴を埋めるかのように
それ以降Aは騰の家によく行くようになった
彼と話をつけるために来ているのか、それとも騰とのこの何気ない会話を楽しむために来ているのか
もしかしたら、Aは後者を選んでいたのかもしれない…
「へぇ、騰さんは剣道をされてるんですね!」
「あぁ、社会人の大会が今度あるから、最近は帰りが遅くなって来ているんだ。が、何故かAが来る日は練習がない日のようだ…私の都合がわかるのか?」
会う度に距離が縮まるのを感じた
今では名前呼びをして、軽口を叩くほど仲も良くなった
そして知っていく騰という人物
優しく、お茶目で、落ち着いている騰
Aはだんだんと騰に惹かれているのがわかった
それでもその気持ちを伝えないのは、まだ彼との話し合いに決着がついていないから…と
気持ちを抑えてココア友達を続けているのだ
そうして何回か騰の家を訪れたある日
隣の部屋から彼と、女の声が聞こえて来た
54人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RUI(プロフ) - 凌さん» なかなか更新できず申し訳ありません!順次制作しようと思いますので、よろしくお願いします。( *´艸`) (2020年9月6日 11時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちありがとうございます。現代編も読んでみたいです。紫伯もお願いします。 (2020年9月6日 11時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凌さん» コメント、リクエストありがとうございます!李牧さんも素敵ですよね!現代と過去どちらがお好きですか? (2020年8月13日 23時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちでリクエストしたいです。 (2020年8月13日 16時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - もちろんです!また、お邪魔させてもらいます!リアルに夢主ちゃんと同じ位身長があり、職業はお医者さんではないですけど笑。自分と重ねて読まさせてもらいました。疲れていても家で王騎将軍が待っていてくれたらいいのにと本気で思ってしまいました笑。応援してます! (2019年9月17日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RUI | 作成日時:2019年9月15日 23時