【騰】11 ページ29
騰の返事にほっとし、Aは扉を開けて外に出ようとした
しかし、通路へ出るはずの扉の向こうは青い壁に阻まれ
Aは鼻を強く打ち付けた
「いったぁーい…」
「コココココ、これは失礼。まさかいきなり戸が開き人が飛び出して来るとは思いませんでしたのでねぇ」
独特な笑い声が遥か頭上から聞こえ、Aは鼻を抑えながら見上げれば、そこには特徴的なヒゲを生やした唇のオバケ…
いや、巨漢が立っていた
「も、申し訳ありませんっ」
「いえいえ、私こそ申し訳ない事をしました。大丈夫ですかぁ？」
巨漢はそう言うと腰を折り背の低いAの目線に合わせて笑った
「女童、ここの内史に御目通りをお願い出来ますかぁ？」
巨漢は騰が目の前にいるのをわかっていて、Aにそう告げた
Aはえっと騰を振り返ると、騰は頷いて手招きをしていたので、すぐに踵を返して騰の方へと歩み寄った
「A、大丈夫か？」
「はい、大丈夫です…えっと、お客様のようです」
騰はAの頭を撫で、頼み事へ向かうよう促した
Aはそれに頷いて部屋を立ち去ると
漸く巨漢を部屋に招き入れた
「…王騎将軍とお見受けします」
「私の事をご存知なのですねぇ？」
「今や秦国で貴方を知らない者は居ないかと…」
「そうですか…。単刀直入に言います。貴方、私の下に来ませんか？」
王騎がそう言うと、騰はいつものポーカーフェイスを崩し、瞠目した
「私が？私はいち文官に過ぎません。王騎将軍殿のお役に立つかどうか…」
「隠しきれない武人の影が私には見えていますがねぇ？」
「……」
「私の副官として、働いて欲しいのです」
「っ！？副官…ですか」
「そうです、どうですかぁ？」
「…考えさせて頂けますか」
騰は額に手をやり、思案してる風だった
「…あの女童が心配ですか？」
「…Aの事ですか？」
「そうそう、そんな名でしたね。よほど好きなんですねぇ」
王騎のその言葉に、騰はピクッと反応し
マジマジと王騎を見た
「好き…？」
「好いているならしっかり言葉に出してその手を離さないようにした方が良いですよ。そう、絶対に…あんな思いは誰にもして欲しくはありません…」
王騎は一瞬悲しそうな顔をして天を仰いだが、すぐに元の表情に戻り、ニッと口角を上げて騰を見やった
「我らが主人は天下を望んでおいでです。天下統一こそ、太平の世には不可欠、貴方の力が必要です。」
そこへ丁度よくAが戻ってきた
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RUI(プロフ) - 凌さん» なかなか更新できず申し訳ありません！順次制作しようと思いますので、よろしくお願いします。( *´艸｀) (2020年9月6日 11時) (
レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちありがとうございます。現代編も読んでみたいです。紫伯もお願いします。 (2020年9月6日 11時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凌さん» コメント、リクエストありがとうございます！李牧さんも素敵ですよね！現代と過去どちらがお好きですか？ (2020年8月13日 23時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちでリクエストしたいです。 (2020年8月13日 16時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - もちろんです！また、お邪魔させてもらいます！リアルに夢主ちゃんと同じ位身長があり、職業はお医者さんではないですけど笑。自分と重ねて読まさせてもらいました。疲れていても家で王騎将軍が待っていてくれたらいいのにと本気で思ってしまいました笑。応援してます！ (2019年9月17日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RUI | 作成日時：2019年9月15日 23時
