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【騰】8 ページ26

「え…縁談…ですか?」


リンの逝去から立ち直り、ようやく落ち着きを取り戻して来た頃に、騰から思いもよらなかった話を聞き
Aは困惑した


「あぁ…文官の1人の貴族の娘だそうだ…だからその日は…どうした?」


騰が話しかけて来ているのに、珍しくAは唖然とし反応が無かった

考えてみればそうだ、これほどの人物に縁談が来ないわけないのだ…
かといって、Aは騰への思いを胸に芽生えさせてから、こんなにも早くその思いを押し殺す日が来るとは思っていなかった
Aは胸が苦しくなって、泣きたい気持ちになったが、どうにかそれを堪えて、無理に笑顔を貼り付けて口を開いた


「では、その日はうんと素敵な格好をしないといけまさんね!」


そう言ってAは部屋から立ち去った
その後ろ姿を騰は何か思うところがあるような顔で見送った




縁談の話が近づくにつれ、Aは明らかに元気をなくしていっていた
本人はそれを隠そうとしているが、今までずっと側において見てきた私からすればAの本当の笑顔くらい見分けがつく
原因は明らかに縁談だろう…
捨てられるとでも思っているのか…


「A」
「はい、なんでしょう?」


普段通りニコニコと騰へ近づくA
もう子供とは言えない年齢になってきた…
買ったあの日から比べて大きく成長し、女性らしさが際立ち、実に美しい娘になった
そして何より、賢い娘だった

騰は近づいてきたAの頭を撫でると、Aは頬を赤らめて、笑う
その時の一瞬の笑顔は本物だと言うのに
すぐにまた、偽の笑顔を貼り付ける…


「縁談の話をしてから元気が無いな」
「そんな事は…」
「例え、この縁談を受けるようなことになっても、私はお前を別のところへなど行かせたりはしない」


騰がそう言うと、Aは一瞬悲しそうな顔をしたように見えたが、すぐにまたあの笑顔を見せた


「……そう…ですよね、あ、安心しました!」
「……」
「あの…では、まだ仕事が残っていますので、また後ほど…失礼します!」


騰から離れたAは涙が出そうになるのを抑えきれず、その大きな瞳からポロポロと涙を零した


違うんです、捨てられると思ったわけじゃないんです…
私は、貴方の横に自分以外の誰かが立つのを見るのが怖いんです…
いっそ、捨てて下さい…

そんな思いでいっぱいだった

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RUI(プロフ) - 凌さん» なかなか更新できず申し訳ありません!順次制作しようと思いますので、よろしくお願いします。( *´艸`) (2020年9月6日 11時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
- 李牧落ちありがとうございます。現代編も読んでみたいです。紫伯もお願いします。 (2020年9月6日 11時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凌さん» コメント、リクエストありがとうございます!李牧さんも素敵ですよね!現代と過去どちらがお好きですか? (2020年8月13日 23時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
- 李牧落ちでリクエストしたいです。 (2020年8月13日 16時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - もちろんです!また、お邪魔させてもらいます!リアルに夢主ちゃんと同じ位身長があり、職業はお医者さんではないですけど笑。自分と重ねて読まさせてもらいました。疲れていても家で王騎将軍が待っていてくれたらいいのにと本気で思ってしまいました笑。応援してます! (2019年9月17日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RUI | 作成日時:2019年9月15日 23時

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