【騰】3 ページ21
騰はそう言うと、この屋敷を一人で管理していると言う老婆を連れてきて、あらかた事情を説明すると
老婆はAの方を見やり、優しい笑顔で頷いていた
「A、私はリン。さぁ、動けるならまず先に湯浴みをしようねぇ？」
リンはそう優しく声掛けるが、Aはどうしたものかと狼狽えていた
湯浴みなんて本当にして良いのだろうか…
湯浴みをした途端に叱責されたりしないだろうか
そんな恐怖がAを縛る
「A、大丈夫…大丈夫だからねぇ？」
とても優しい声にAはようやく安心し、リンの後をついて行った
Aのそんな後ろ姿を騰は悲しい気持ちで見送った
湯浴みのために大きな桶にはお湯が張られ、Aはその中に突っ込まれた
お湯がキズに浸みたが、Aは何週間ぶりかの湯浴みに喜びがあふれていた
「しっかし、酷い汚れだね？前の主人は湯浴みすらさせてくれなんだかい？」
「…えっと…」
「まぁ、言いにくいなら良いさね。さぁ、髪も洗うからね。髪が絡まって…取れないねぇ…」
Aはリンの言葉に申し訳なさで震えた
「せっかく長い髪だけど、これは切るしかないよ…良いかい？」
Aはリンの手を煩わせずに済むなら坊主にだってする
そんな気持ちでコクコクとうなづいてみせた
シャクン…
腰近くまであったゴワゴワの髪が、小気味いい音を立てて刃物で切られていく
髪を洗い、体を洗い
終わってみれば汚かった下僕は、下僕だと言う事も思わせないほど愛らしい姿ですそこに立っていた
「たまげたねぇ…こんなに可愛らしい子だったとは…騰様も目が良いこと」
「そ、そんな事は…」
「さぁ、終わったよ、それじゃあ次は、飯でも食べて少しでもそのガリガリな体を太らせないとねぇ」
着替えを済ませ、Aはリンに連れられて厨房へと向かう
途中これから仕事に出掛ける騰に出くわし、Aはしっかりと頭を下げて騰が通り過ぎるのを待った
しかし、地面に向けられた視界に騰の足先が入ってから、その足先はピクリとも動かないことに疑問を浮かべたが、Aはじっとその姿勢を保っていた
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RUI(プロフ) - 凌さん» なかなか更新できず申し訳ありません！順次制作しようと思いますので、よろしくお願いします。( *´艸｀) (2020年9月6日 11時) (
レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちありがとうございます。現代編も読んでみたいです。紫伯もお願いします。 (2020年9月6日 11時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凌さん» コメント、リクエストありがとうございます！李牧さんも素敵ですよね！現代と過去どちらがお好きですか？ (2020年8月13日 23時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - 李牧落ちでリクエストしたいです。 (2020年8月13日 16時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - もちろんです！また、お邪魔させてもらいます！リアルに夢主ちゃんと同じ位身長があり、職業はお医者さんではないですけど笑。自分と重ねて読まさせてもらいました。疲れていても家で王騎将軍が待っていてくれたらいいのにと本気で思ってしまいました笑。応援してます！ (2019年9月17日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RUI | 作成日時：2019年9月15日 23時
