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【騰】2 ページ20

「夜分遅くにすまない。ここの主人はいるか」


騰がそう声かければすぐに中から人が出てきた


「こんな遅くに、常識はないのか!?」
「すまない、この子供はここの子供で間違いないか?躾にしては度を越している気がするが…」
「たしかにそのガキはウチで見てるガキだが、下僕の分際でろくに仕事もできねぇ役立たずだ」
「たとえ下僕であれ、生きている人間である事に違いない、このままではこの子は死んでしまうぞ」
「構わない、食い扶持が減って楽だからな。それとも…このガキが欲しいのか?」


主人は頭の先から足の先まで舐めるように見てニヤリと笑った


「良い趣味してるな」
「勘違いしないでほしい。私は働き手が欲しいだけだ」
「…いらねぇガキとは言え、そいつに投資した食いもんはタダじゃねぇ。だから、死にかけていようとタダでガキをくれてやるのも癪だ」
「いくらだ」


眩しい陽の光が部屋に差し込む
子供はその眩しさにうっすらと目を開いた

意識を失う前に感じたあの優しい温もり
あれを最後に、自分はとうとうあの世に来てしまったのだろうか
そう思うほどに、子供の今いる場所が極楽のような場所だった


「…ここは」
「目が覚めたか」
「っ!?ごめんなさい!!今朝餉をっ!!うっぁ…」


急に起き上がりすぐに動こうとする子供は、急に動いた事により怪我に響いたのか蹲って痛みに耐えていた
そんな子供を落ち着かせるように声をかける


「そのままでよい。ここは昨日までお前がいた場処では無い」
「ど、どういうことですか?」
「昨日、お前は私に買われたのだ。だから今日からはお前の主人は私だ」
「買った…私を…?何故…」
「…そうしなければならない気がしたからだ」


騰が至極真面目な顔でそう言うと、子供は有り得ないと言うような顔をした


「こんな…私を…」
「…こんな、かどうかはこれからお前の頑張り次第で如何様にも変わっていくものだ。名は?」
「Aです。えぇっと…ご主人様のお名前を…教えていただけますか?」


少し怯えだ様子で聞いてくるAを
騰は少し不憫に思った
今までそういう扱いしか受けてこなかったのだろう
そんなAのごわつく頭にその大きな手を乗せて騰は名乗った


「騰…。こらからは怯えなくともよい。まず、Aには湯浴みとちゃんとした食事が必要だな」

【騰】3→←【騰】1



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RUI(プロフ) - 凌さん» なかなか更新できず申し訳ありません!順次制作しようと思いますので、よろしくお願いします。( *´艸`) (2020年9月6日 11時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
- 李牧落ちありがとうございます。現代編も読んでみたいです。紫伯もお願いします。 (2020年9月6日 11時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凌さん» コメント、リクエストありがとうございます!李牧さんも素敵ですよね!現代と過去どちらがお好きですか? (2020年8月13日 23時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
- 李牧落ちでリクエストしたいです。 (2020年8月13日 16時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - もちろんです!また、お邪魔させてもらいます!リアルに夢主ちゃんと同じ位身長があり、職業はお医者さんではないですけど笑。自分と重ねて読まさせてもらいました。疲れていても家で王騎将軍が待っていてくれたらいいのにと本気で思ってしまいました笑。応援してます! (2019年9月17日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RUI | 作成日時:2019年9月15日 23時

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