心のまま ページ23
「Aちゃん?あの人は誰?なんで今日はこんなにAちゃんの知り合い…しかも、イケメンやダンディないい男が来るのかしら?」
裏に逃げたところで、Aに避難場所は無かった
「あの人は…たまたま電車で落し物をして…届けた時の人です…はい」
「へぇ?ただ事ならぬ間柄なんじゃないのぉ?」
「いえ!まだっ…あ」
「Aちゃん、もうここ良いから、休憩時間はいってね?」
半ば先輩に脅される形で休憩に入ったA
表に出れば騰は優雅にハーブティをすすり、お上品にケーキを食べていた
そんな騰を見て、やっぱり素敵な人だなと感じるA
さっきの話が本当なら、騰は独身
いや、本当なら…ではなく、騰は嘘なんてついていないだろう
ただ、あんなに素敵な人が自分なんかにと思ってしまうのだ
じっと見ていたため、その視線に気づいた騰がケーキを食べ終えたようで、出入り口のところにいたAの方まで近づいて来る
「休憩か?」
「えと…はい…?」
「もう、敬語じゃなくて良いんじゃないか?私は嘘なんか吐いていない」
「…う、ん。それは…わか…る」
痛いほど感じる視線に
Aは居たたまれなくなり、騰の手を引きその場を離れようとする
あ、と途中で気づき
Aは騰のパンフレット裏の投票券を全て剥がすと、投票箱に入れてそそくさと退室した
「どこへ行く気だ?」
「あ…なにも考えてなかった…」
ズンズンと進んだAが声をかけられ、足を止めた場所は
学祭の騒音から少し離れた、敷地内の広場だった
「ここは静かなんだな…」
「ここにブースないから…」
妙な沈黙が続く
シンと静まり返った空気を先に破ったのは騰だった
「私の思い違いじゃなければ…妻が居るかを気にしたりするのは…少なからず、私に好意を持ってくれていると言う事かな?」
「えと…」
「ただの友人、知人程度の気持ちなら、今にも泣きそうな顔なんかしないだろ?」
騰に頬を撫でられて、ポロリと一雫の涙が出た事に
A自身が驚いた
「…泣かせるつもりは無かったんだが…」
「ごめんなさい…その、奥さんじゃないって、聞いて…安心して、けど、やっぱり、なんで私なんかに??って思っちゃって…」
そう心のままに言うAを優しく抱きしめる騰
Aは、あたふたと腕の中で慌てるが、騰は離してくれる気は無いようだ
「本当の事を言おう。あの日…」
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RUI(プロフ) - bluemoonさん» レスありがとうございます!私の拙い文で喜んでいただけるとは、大変嬉しく思います!これからも頑張ってお話を生み出していきます!本当にありがとうございます! (2019年8月6日 21時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - RUIさん» もちろんです!通知がきたら直ぐ飛んでいきます笑。いつまでも待っていますので、是非とも宜しくお願いします。最近、ドキドキが少なくなってきましたので…。これからも応援してます(#^.^#) (2019年8月6日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - bluemoonさん» コメントありがとうございます!私も王騎将軍好きですよ!いつか王騎将軍も書きたいと思っています。その時は是非コメントよろしくお願いします。 (2019年8月6日 21時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - RUIさん» 初コメント失礼します。キングダムの現パロのお話し中々読めないので、楽しく拝見させていただきました。私は王騎将軍推しなので、副官の騰も好きです。騰の大人の包容力にキュンキュンしました。次の作品も楽しみにしています。また、コメントさせていただきます。 (2019年8月6日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - ぴのさん» 私の周りに騰大好きと言う人いないので、お仲間さんがいて嬉しいです!頑張って更新していきますね!コメントありがとうございます! (2019年7月31日 5時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUI | 作成日時:2019年7月26日 13時