誤解 ページ22
「ここっす!」
教室の前に長い行列ができており、騰はそこの最後尾に案内された
「フラワーカフェ…」
「あいつ、花とか好きで、花屋でバイトしてんだけど、研究室でも植物のこと勉強してて、その成果として、食用ハーブやなんやら使ったり、他の植物の成分とか食べられるかどうかとかも調べた上で、ハーブティ?だとか、ケーキにして出してんす」
うめーんだよなぁー
と。そう言いながらイカの姿焼きを頬張る信
「この先に、Aさんが…」
「んじゃ、俺はこれで…あ!面接の時ヒーキして下さいねーヒーキ!」
信が去ってから騰はしばらくそこの列に並び
漸く入り口が見えて来た時
中からメイド服…とまではいかないが、黒いシンプルなワンピースに白いエプロンを付けたAが中に客を誘導している姿が見えた
その姿を見て、騰はその瞳を自分に向けさせたいと強く思う
誤解とはいえ、迷惑がられるんじゃないかとも思うが、それよりもやはり、この想いの方が強く
とにかく早く言葉を交わしたかった
1組、また1組と列は短くなり、いよいよあと2組呼ばれれば騰が呼ばれる番になる頃
また客を呼びにAが出て来て、笑顔で対応するAの目に騰が写った
その目は明らかに瞠目していた
「お待たせしました、騰さん…来て…くれた、んですね」
騰の番になり、Aは騰を目の前にして
ぎこちなく敬語を使った
「たまたま、ポスターを見たんだ」
「…こちらへどうぞ」
騰は中に通され、1人席に案内されると
Aからメニューを受け取る
「おすすめは…」
「Aさん」
「はい」
「まず、いきなり来て驚かせて申し訳ない」
「…」
「ただ、どうしても君と話がしたかった。君の誤解を解くために」
その、誤解というのはメッセージにも何度も出てきた単語だ
「…奥さんがいる事ですか?」
「そう、あいつは」
「あいつって呼べるほど、仲がよろしいんですよね?」
「…たしかに付き合いも長いが、あいつ…摎は、私の妻ではない」
「え?」
「私の上司の妻だ」
「でもだって。あんなに親しそうに…」
「…恥ずかしい話、私はこの歳で一度も結婚した事はないし、恋愛もここしばらくは無縁だったんだ、それで…先走ったあいつがその、Aさんを一目見たかったらしく…それを阻止しようとして、まぁ、あの日のようになった訳だ…」
「……あの、本当に…」
Aは何だか、恥ずかしくて
注文も取らずに一度その場から離れてしまった
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RUI(プロフ) - bluemoonさん» レスありがとうございます!私の拙い文で喜んでいただけるとは、大変嬉しく思います!これからも頑張ってお話を生み出していきます!本当にありがとうございます! (2019年8月6日 21時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - RUIさん» もちろんです!通知がきたら直ぐ飛んでいきます笑。いつまでも待っていますので、是非とも宜しくお願いします。最近、ドキドキが少なくなってきましたので…。これからも応援してます(#^.^#) (2019年8月6日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - bluemoonさん» コメントありがとうございます!私も王騎将軍好きですよ!いつか王騎将軍も書きたいと思っています。その時は是非コメントよろしくお願いします。 (2019年8月6日 21時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - RUIさん» 初コメント失礼します。キングダムの現パロのお話し中々読めないので、楽しく拝見させていただきました。私は王騎将軍推しなので、副官の騰も好きです。騰の大人の包容力にキュンキュンしました。次の作品も楽しみにしています。また、コメントさせていただきます。 (2019年8月6日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - ぴのさん» 私の周りに騰大好きと言う人いないので、お仲間さんがいて嬉しいです!頑張って更新していきますね!コメントありがとうございます! (2019年7月31日 5時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUI | 作成日時:2019年7月26日 13時