ファントムの焦り ページ12
Aがバイトとして入って来たのは、約2年前
最初は全く気にもとめていなかった
どうせ今までのバイトのように、俺たちの言葉を理解できずに辞めていくんだろうと思っていた
だが、Aは少し違っていた
へんな仮面を被り、特殊な言葉を話す俺たちを毛嫌いする事もなく
言われたって分かっていないだろうに、必死に聞き取ろうと、意思を汲み取ろうと身振り手振りで話したり聞いたり
少しずつ、簡単な単語であればわかるようになったのか
タジフとは仲が良いようだった
タジフもあの見た目で、可愛いものが好きだし、気に入ったやつには親切だからな…
だが、タジフが気に入ったということは、良いやつだという事で、俺はそれからAをよく観察するようになった
見た目は確かに可愛い部類だろう
端和様の美しさを間近でみて来ているから、たかが小娘の可愛らしさなど、眼中になかったのだが
1年ほどAの仕事ぶりや、人となりを見ていて
いつのまにか惹かれていった
初めてこの気持ちに気付いた時には狼狽えた
俺が唯一想っているのは端和様だと
そう思っていたのに
しかし、実際のところ
俺が端和様に向けた想いは敬愛で、恋や愛とはまた少し違っていたのだと気付かされた
Aに恋してから早1年
まだ子供だからと見守るだけにしていれば
飛んだ横槍が入って来たものだ
それも、俺より年上のオヤジじゃないか
見目だって確実に俺の方が上なのに…
どうしてAはあいつの事を見る時、うっとりとした顔をするのか…
悔しかった
この一年、誰よりもAを横で見て来た俺を差し置いて…Aの視線を横取りしていくなんて
いいや、まだ子供だからと言い訳をして、想いを伝えるのを躊躇っていた俺が何より腹立たしい…
結局断られたらと思うと怖くて伝えられなかった、ただの臆病者だ
それに比べてあの男は、臆する事なくAをお礼と称してデートに誘い、Aの好きな花を使って遠回しに…だが確実に…ストレートに想いを伝えてきた
俺は、一歩出遅れたのだ
その結果、Aは今
あいつの事を考えているに違いない…
まだ恋だと思っていないだろうが、きっといつかは気付く…
その前に、俺に振り向かせる…
Aの横に立っていいのは俺だ
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RUI(プロフ) - bluemoonさん» レスありがとうございます!私の拙い文で喜んでいただけるとは、大変嬉しく思います!これからも頑張ってお話を生み出していきます!本当にありがとうございます! (2019年8月6日 21時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - RUIさん» もちろんです!通知がきたら直ぐ飛んでいきます笑。いつまでも待っていますので、是非とも宜しくお願いします。最近、ドキドキが少なくなってきましたので…。これからも応援してます(#^.^#) (2019年8月6日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - bluemoonさん» コメントありがとうございます!私も王騎将軍好きですよ!いつか王騎将軍も書きたいと思っています。その時は是非コメントよろしくお願いします。 (2019年8月6日 21時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - RUIさん» 初コメント失礼します。キングダムの現パロのお話し中々読めないので、楽しく拝見させていただきました。私は王騎将軍推しなので、副官の騰も好きです。騰の大人の包容力にキュンキュンしました。次の作品も楽しみにしています。また、コメントさせていただきます。 (2019年8月6日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - ぴのさん» 私の周りに騰大好きと言う人いないので、お仲間さんがいて嬉しいです!頑張って更新していきますね!コメントありがとうございます! (2019年7月31日 5時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUI | 作成日時:2019年7月26日 13時