プロローグ ページ1
大学へ向かうために電車で30分くらい揺られながら
Aはぎゅうぎゅうとまではいかないが
それなりに混んで窮屈な車内で隣り合うおじさんやお姉さん方と肩をぶつけながら、目的地まで息苦しさを我慢して立っている
今日も代わり映えのない…というか毎日同じ顔がいるとも限らないこの車内は
みんなそれぞれがなにかを考え、思い、時間を潰していた
そんな乗客でもあるAの日課は人間観察
この人は汗っかきだなとか、この人昨日見たなとか
そのくらいの観察
どの人も朝からどこか疲れたような顔で一日が始まる
そんな中、Aはふとある人物に目が止まった
少し離れた斜め前に立つ
周りの人よりも頭一つ背の高い男性
キリッとした表情で混んだ車内でも微動だにする事無く真っ直ぐと背筋を伸ばし立っている
誰もが疲れた顔をしている中でのこの表情に
Aは目が行ったのだ
珍しさだ
しばらく観察していれば、それに気づいたのか
男性もこちらに視線を寄越してきて
Aは慌てて目を逸らし、俯いた
なんとなく、目があった時の力強い視線にAはドキドキとした気がした
見ていた事に気付かれたというドキドキと言うよりは、思っていたよりも凛々しいその表情にドキッとしたような、そんな感じ
頭に刺さる、視線が無くなったのを感じると
Aはもう一度その人を見るが、その人はスケジュール帳かなにかを手にペンを走らせていた
鼻筋の通った、男らしい横顔
茶髪は少し長めで、不潔感は無く、軽く一つにまとめている
そうこうしているうちに、電車はAを目的の場所まで連れてきた
慌てて降りると、それを見計らったようにドアが閉まる
振り返り、男性を探すが
シューと音を立てて発車する電車内は最中心部に向かうためか、先ほどよりもぎゅうぎゅうになっていて、その人の姿を探すことは出来なかった
「まぁ…もう会うこともないよね」
約2年電車に乗っているが、あんな人が目の前にいたらすぐ気づいただろう
一度も見たことがないなら、普段電車は使わないのかもしれない
歩き出すAの足に何かがあたった
こつん
足元を見ればそこには黒い革表紙の上質な手帳で、持ち上げると中から社員証らしき物が落ちてきた
「…あ。この人」
内史 騰
春秋カンパニー
「春秋カンパニーって…めっちゃ大手じゃん…でも、どうしよう…大事なものだろうけど、大学あるし…」
とりあえずAはそのまま手帳を持ち、大学が終わってから届けようと決めた
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RUI(プロフ) - bluemoonさん» レスありがとうございます!私の拙い文で喜んでいただけるとは、大変嬉しく思います!これからも頑張ってお話を生み出していきます!本当にありがとうございます! (2019年8月6日 21時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - RUIさん» もちろんです!通知がきたら直ぐ飛んでいきます笑。いつまでも待っていますので、是非とも宜しくお願いします。最近、ドキドキが少なくなってきましたので…。これからも応援してます(#^.^#) (2019年8月6日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - bluemoonさん» コメントありがとうございます!私も王騎将軍好きですよ!いつか王騎将軍も書きたいと思っています。その時は是非コメントよろしくお願いします。 (2019年8月6日 21時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - RUIさん» 初コメント失礼します。キングダムの現パロのお話し中々読めないので、楽しく拝見させていただきました。私は王騎将軍推しなので、副官の騰も好きです。騰の大人の包容力にキュンキュンしました。次の作品も楽しみにしています。また、コメントさせていただきます。 (2019年8月6日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - ぴのさん» 私の周りに騰大好きと言う人いないので、お仲間さんがいて嬉しいです!頑張って更新していきますね!コメントありがとうございます! (2019年7月31日 5時) (レス) id: f01634fd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RUI | 作成日時:2019年7月26日 13時