すとぷりBL短編集

一方通行。(るぅころ) ページ6

ころんside


目を開けると外は明るかった。

あ、寝ちゃってたんだ、僕。

全部夢だったらいいのにな
なんて思ってもさとみくんはもう居ない。


その時、扉の音がした。


さとみくん！？

僕は走って扉に向かって開けてみる。


なんだ、るぅとくんか。


…戻ってこないことくらい内心分かってる。


「昨日のLINE、返事がなかったんで押し掛けに来ましたっっ！」


こいつほんと自由人だな。

でも、こいつの明るさに今は助けられる。


「目、腫れてますよ？どうしたんですか？」


あーあ。昨日泣きすぎたせいだ。


「なんでもないし！！」


僕はごまかした。

すると、るぅとくんはあることに気付く。


「それ、さとみくんの…」


ぎゅっと握っているさとみくんの服を指摘されてギクッとする。


るぅとくんはなにかを察したようだ。


「ころちゃん、辛かったですよね。大丈夫。大丈夫。僕がいつでも側に居ますよ。」


るぅとくん…


「僕、もうだめかもしれない」


涙が止まらなかった。


「全部、吐き出してください。」


急にかっこつけて…むかつく。
…でも、嬉しかった。

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