暗闇 ページ32
―――僕は様々な色が彩る世界から、
ある日突然、追い出されてしまった。
色が無い代わりに周りに居る人々は
僕を過保護なくらいに心配してくれる。
学校に行くと先生から
「駆真くん、大丈夫だった？
この前の―――」
僕は色のある世界から追い出されたんだ。
大丈夫なわけが無いじゃないか。
「いえ、大丈夫です」
僕は先生の声を切る様に言った。
その瞬間、当然だが、沈黙が広がる。
休み時間には、僕の周りにクラスメイトが
集まって好きな事を口々に言う。
「―――そういえば駆真、お前ってさ…
俺と一緒にサッカーやってたよな。
そんな状態で出来んのか？」
ああ…あいつの声か。
そういえばそうだったな…
「うん……できないね。
仕方ない事だし、辞める」
「そっか…仕方ないよな…分かった」
「あ、じゃあさ、俺と一緒に水泳やらね？」
誰だ…？誰の声だっけ…？
あまり認識のないクラスメイトだと
聞き分けられないな…
でも……水泳か…面白いかも知れない。
「うん、良いよ。
いつから？」
「明日から、この学校のプールで」
翌日。
僕はあの時のあいつが待つ、
学校のプールに行った。
まだ、来てない……かな？
来てないね。
そういえば、名前聞いてなかった…
「やあ、早かったね駆真」
ふいに後ろから声が聞こえた。
まだ陽は落ちておらず、
暖かい風が肌を撫でていて、少し心地よい。
夕方の匂いがする。
「あ…うん、君の名前…聞いてなかったや。
なんていうの？」
「クラスメイトなのに失礼だな。
まあいいや、俺は零也だ。
あんま話した事は無かったな。
これからよろしく」
「ああ…よろしく」
―――バシャンッ！
しばらくして水の音がした。
「おい、お前も来いよ！
ここなら自由に動けるぞ」
僕は零也の言うままにTシャツを脱いで
プールに入った。
途端、地上では不自由だった僕の身体が
思うままに動かせるようになった。
「凄い…動ける…！」
「だろ？で、これから続けるのか？」
「ああ、もちろん！」
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雨音時雨(プロフ) - むつき。さん» 毎週読んで下さり、ありがとうございます！「意味が分かると怖がる話３」でもよろしくお願いします！m(_ _)m (2021年11月7日 16時) (
レス) id: 8ae1462a28 (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - すごく意味が深くて素敵でした… (2021年11月7日 15時) (レス) @page50 id: da60582d52 (このIDを非表示/違反報告)
雨音時雨(プロフ) - 皆様のお陰で100話到達となりました！ありがとうございます！また来週から「意味が分かると怖がる話３」としてスタートするので、よろしくおねがい致します…！ (2021年11月7日 3時) (レス) id: 3ecc3e8689 (このIDを非表示/違反報告)
雨音時雨(プロフ) - むつき。さん» ありがとうございます！確かに少し書き方は変えてます。来週の後編と解説の更新も楽しんで頂けるように頑張ります！ (2021年10月30日 21時) (レス) id: 8ae1462a28 (このIDを非表示/違反報告)
むつき。(プロフ) - 雨音時雨さん» 前編の書き方、勘違いかもしれませんが、少し違う気がして、いつも以上に楽しめました！後編と解説の投稿も楽しみにしています！ (2021年10月30日 20時) (レス) @page48 id: da60582d52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イミコワ部 | 作成日時：2021年5月15日 3時
