落ちる駅 ページ43
語り手；スカル
終電車で眠ってしまい目を覚ました。
見知らぬ女が、
俺の肩に頭を乗せてもたれかかるように眠っている。
正直邪魔だったが、
タレサンが寝てる人をいきなり起こしてはいけない、
と言っていたのを思い出して、
しばらくそのまま乗っていた。
俺の降りる駅はまだまだ先なので大丈夫だろう。
2駅、3駅を過ぎ、
車両には俺と、
俺にもたれて眠っている女の2人だけになった。
彼女はどこで降りるんだ。
流石に起こした方が良いんじゃないか…。
そう思った俺が体を動かしかけると、
「動かないで…」
と、目を閉じ頭を肩に乗せたまま女が言った。
更に続けて、
「もう少しこのままがいいな……」
と。
初対面の知らない奴に言われるのも不思議だったが、
自分なりに理由は聞いてはいけないと察し、
黙って肩を貸してやった。
だが流石に自分の降りる駅が近づくと心配になり、
とりあえず｢どの駅で降りるんだ？｣と聞いてみた。
すると｢落ちる駅？｣と返してくる。
「違う。落ちる駅じゃなく降りる駅だ」
「降りる駅が落ちる駅だよ」
また意味不明な答えだ。
さらに彼女は｢貴方の降りる駅が、私の落ちる駅｣と続けた。
まさか自｡殺でもするんじゃないかと思った。
この娘は俺の降りた駅で、
飛び降り自｡殺をするんじゃないだろうか？
どうしても気になったので、
彼女に｢落ちてはいけない｣と言ってみた。
彼女は｢貴方が降りたら私は落ちる｣と、
何やら脅迫めいたことを言ってくる。
仕方がないので｢……じゃあ降りない｣と言ってあげた。
彼女は嬉しそうに、
「ありがとう、約束だよ……破ったら貴方も落ちてね？」
と言う。
この言葉に俺はゾッとしたが、
今は彼女を落ち着かせることが優先だ。
自｡殺を食い止めたい一心で、
俺は｢わかった、約束する｣と言った。
その時、電車が揺れた。
そして彼女の方を見た俺は、
彼女の不可解な言動の全てを理解した。
しかしもう遅い。
降りたら彼女は落ちる、そして俺もまた落ちるのだから。
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解説
文字数ないので簡潔に解説。
実はあの女の子、首と胴が泣き別れ状態でした。
約束を破って電車を降りたら、
スカルくんの首も落ちるよという脅迫だったと。
電車が揺れて彼女の首が落ちた時、
スカルくんは真実を気づきますが時既に遅し……。
と、いう話です。
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葵 - ｺﾜイ (8月29日 7時) (
レス) id: 5828b1967c (このIDを非表示/違反報告)
お米 - おなじだーーーー (2023年2月5日 14時) (レス) @page48 id: 49707c41dd (このIDを非表示/違反報告)
おーp - ぞっとしました！また、とても怖くて涼しくなりました！ありがとうございました！ (2021年7月31日 17時) (レス) id: b75a7c3216 (このIDを非表示/違反報告)
猫夜叉 - 屋上の少女僕もう見たことありました (2021年1月13日 18時) (レス) id: 46a85f6db7 (このIDを非表示/違反報告)
みずのはごろも - 「隣の男性」の所、 エンペラー殺したんなら肉料理とは呼べないんじゃ…だってインクリングはイカだし…ﾊｯ!変なこと言ってすみません！ (2020年6月27日 21時) (レス) id: 58775b6fe7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：(´・ω・`)しょぼん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/syobon/
作成日時：2019年11月22日 23時
