オレンジ【菜花黄名子】 (ページ5)

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四話ページ5

目を覚ますと見覚えのある天井が視界に入ってきた

時計を見ると午前７時だった

回りは黄名子と私の布団が並んであって

黄名子の布団はきっちりとたたんである

ﾊｯ・・・

『考えたんだけど・・・明日後日黄名子の方をあの孤島につれて行かないか・・・?』

昨日のあの出来事を思い出した

嘘だ・・・

そんなわけないよね？

そんなことしないよね？

信じられなかった

いや、信じたくなかったといった方が正解かも知れない

あ、７時ってだいたい朝ごはんの時間だ

布団から起き上がり台所までの廊下を歩く

ｶﾞﾗｯ

台所のドアを開けるとお母さんと黄名子が朝食をつくっていた

「あらA、おはよう」

「お母さんおはよ」

「A・・・おはようやんね」

「あ、おはよ」

やはり黄名子は少し元気がなかった

でも昨日何も知らないでいきなり自分が死ぬことを知らされたんだから

元気がないのはしょうがないことだろう

これは幼い私にも分かることだった

「食事できたから早く食べなさい、A
ほら黄名子も」

お母さんがテーブルの上に朝食を並べていく

本当は食べたい気分じゃなかったが怒られそうなので椅子に座る

やはり食事中も会話が進まなかった

食べ終わって後片付けをすませた私と黄名子は子供部屋に戻る

「A・・・」

子供部屋でさっきまで寝ていた布団をたたんでいると黄名子がはなしかけてきた

「ん・・・何？」

一瞬ﾄﾞｷｯとしながらも返事を返す

「布団たたんだらいつものところ行きたいやんね」