Don't leave me alone

ふたり ページ24

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your side



迂闊だった。

そうとしか言いようがない。
折角チシヤが忠告してくれたのに、それを無視して前に出た。
結局私一人では何も解決できず、またチシヤに助けられてしまったし。

次からはもっと上手くやらないと。
この地獄みたいなビーチで生き残るには、目立たないようにしないといけないのに。

自分の行動が自分の首を締めている気がして、堪らず目をギュッと瞑って座り込んだ。


どれくらいの時間、そうしていただろうか。



「…あの…お姉さん」



は、と上をむくと、ボブカットの女の子がこちらを見下ろしていた。


「…あ、ゴメンなさい。」
「いやいや、あまりにも長い時間そうしてるから、心配になっちゃって。ね？」
「うん」


隣にいた女の子に同意を求めると、「冷えちゃいますよ」と手を差し伸べて来た。

「さっき、私達もプールにいたんです。アグニさんたちに絡まれているところ、見てたのに何も出来なかった」

ごめんなさい、と2人が謝る。


「やめて、顔上げてよ！2人は何も悪くないよ。私の問題だから」


顔を上げた2人は顔を見合せて、「でも…」と微妙そうな顔をした。


「…お姉さん、可愛くてスタイルも良いから。きっと目をつけられちゃったんだと思います」
「ふふ、私なんか別にだよ。2人の方がよっぽど可愛いし」


注目されるのは苦手だ。
出来る限り誰かの陰に隠れていきたいのに、何故かいつもそうさせてくれない。


「とにかく一緒にお部屋に戻りましょう？」


名前はアサヒちゃんとモモカちゃんと言うらしい。
モモカちゃんは、控えめそうに見えて勇敢な子。
アサヒちゃんは今ドキで、ちゃんと状況を分析する子。

アサヒちゃんが立たせてくれて、3人で女子の部屋がある棟へ向かう。


「今日は幹部会議があるらしいので、終わった武闘派と鉢合わせちゃったらもう大変。ね？アサヒ」
「うん、いっつも武器持ち歩いて怖い顔してるから」


こーんなね！
と、ニラギの真似をしながら舌をベッ、と出す。
あまりの可愛らしさに堪えきれず吹き出すと、ポカンとしたアサヒちゃんが「おねーさん！本当に綺麗だね！」とお世辞をくれた。


「歳上だけど、そんなこと言っても何も出ないよ」
「いやいや、謙遜が凄いですね」


聞けば、ここに来る前は高校生だったと言う。
本当だったらこんな血なまぐさい場所じゃなくて、もっと青春を謳歌していたハズなのに。

思わず胸が苦しくなって、
「早くこんなところ抜け出したいね」
と言うと、少しだけ、ほんの少しだけ苦しそうな顔をしたモモカちゃんが一瞬言葉に詰まって、
「本当だよ！ね、アサヒ」
とアサヒちゃんに同意を求めた。

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