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お礼と謝罪 ページ23



kuina side



「シャワーを浴びてこい」


ボーシヤの一言でひりついていた雰囲気が飛散する。
ゆっくり動き始める幹部に、そっと銀髪を盗み見る。


「幹部は会議室に集合だ!…アリス、君もだ」


ウサギが心配そうに立ち上がり、アリスが行った方向を見る。
この世界で信頼出来る仲間に出会える人は限りがある。ウサギとアリスはラッキーやな。


「で?どうだった?彼」


後ろからチシヤが近づいてくる。
溶けきった飴の棒を口の中で噛みながらニヤリと笑って返す。


「気に入った」



どうせウチが気に入ることを分かって会わせたんやろ?

ビーチサイドからしれっと観察しよって、めんどくさい男やなコイツは。


口には出さないけど、心の中でそう言いながら笑う。


「…そっちこそ。あの人の事気に入っとん?」
「…あの人?」


とぼけんくてもええのに。そう思いながら顎でしゃくる。
心配そうなウサギをじっと見つめている女の人。

初めて見た時は、こんな世界には不釣り合いなほど綺麗でガラスのような女の人やな、と思った。

透明感のある肌についた一筋の血の跡。
止血はされているけれど、ミスマッチ感が彼女を引き立たせて仄暗くさせる。


「まさか。この世界には優しすぎる人だよ」
「アリスん時も言ってたよなそれ」
「そうだっけ?」


またもとぼけた振りをしながら、チシヤはじっと、寂しそうな女の子を見つめる。
瞳の奥には好奇心や疑心以外の何かがあるような気がして。


「チシヤ、ありがとう。ごめんなさい。」


女の子が振り返ってお礼と謝罪を言う。

そして、ゆっくりとロビーの中へ消えていった。


「追いかけんくてもええん?」
「彼女は一人で生きていくだろ」
「…そう?強そうに見えて、案外そうでもなかったりするで」


何を思ったのかは知らないけど、チシヤはゆっくりと少女の消えていった方向を見ていた。

ふたり→←味方なんか、



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みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )! 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません!笑 今後ともよろしくお願いします! (2023年1月26日 2時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇‍♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…!止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞・֊・՞! 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです!チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです!更新楽しみにしております! (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます!今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みりん | 作成日時:2023年1月18日 5時

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