プールサイド ページ19
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「…嫌だな、この雰囲気…」
下に降りて、タッタくんの言う通りビーチに入ると、そこに広がる光景は異様なものだった。
男女が絡まり合い、抱擁を交わしながらキスをする。
カップルかな？と眺めていたらその女が他の男に抱きつき同様にキスをした。
舌が絡まる様子に思わず目をそらす。
やっぱり、無理を言ってタッタくんに着いてきてもらえば良かったかもしれない。
まるでクラブのような雰囲気。
どこか他人事の様に見つめていると、ある一点で視線が止まった。
プールサイドの端の方で腕を組んで、冷たい目で光景を眺めている銀髪。
その一角だけがまるでこの世から隔離されているみたいで、冷たい氷のような雰囲気を持つ彼を「美しいな」と思った。
「…あ、」
声が漏れ出ただけなのに、この騒がしさの中すっとこちらを向いたチシヤは少しだけ目を細める。
そして鬼ごっこの時と同様、少し唇の片端を上げてから手を振って見せた。
「…あの、すいません…通してください」
手を振り返して、チシヤの元へ行こうとするも沢山の人に行く手を阻まれてなかなか思うように行動できない。
人混みをかき分ける。
少しの間なのに、どさくさに紛れて私の体を触る人、手を引く人が居てなんだか気持ち悪くなってきた。
今からでも引き返そうか。
心が折れかけていると、人混みからサッと手が出てきて私を掻き出した。
「…っ、…チシヤ…」
「何してんの、迂回すれば良かったじゃん」
小馬鹿にするように笑ってから、揉みくちゃにされたパーカーの袖をパンパンと払う仕草をする。
「…だって…」
「バカ正直に一直線に来るとは思わなかったな」
「チシヤが居たから」
少しだけ驚いた顔をして、「あの時の警戒心はどこに行ったの」と言う。
鬼ごっこで最上階にたどり着いた時の自分の顔を思い出して少しだけ恥ずかしくなった。
今考えても借りてきた猫のような態度だったな。
「何しに来たの？こんな所まで」
「あ、…ボーシヤが、新入りに挨拶したらどうかって」
「…新入り？」
少しだけ眉を顰めたチシヤは、「…どういうつもりかな」と静かな声で呟いた。
「チシヤ？」
「ボーシヤに随分と気に入られているんだね」
「気に入られ…？いや、違うと思う。タッタくんも新入りは珍しいって言ってたし、仲良くして欲しいって」
「ボーシヤがそんなこと考えるわけ無いでしょ」
さっきの私と同じことを考えるチシヤに、トップなのにどれだけ信用がないんだと苦笑する。
談笑していたらプールサイドの方でザワザワと喧騒が聞こえてきた。
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みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )！ 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません！笑 今後ともよろしくお願いします！ (2023年1月26日 2時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…！止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞･֊･՞！ 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです！チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです！更新楽しみにしております！ (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます！今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月18日 5時
