Don't leave me alone

伝言 ページ18

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「もう夜なのに、ぐっすり寝てたんだね」
「うそ…」


時計を見上げると、確かに夜で。
夜になるとソワソワしてしまう。

たった2回しかしていないゲームが、もう何年もしているかのように体に染み付いてしまった。
こんなものに慣れていいことなんかないのに。


「…それで？タッタくんはどうしてここに？」
「あ、そうだった！ボーシヤさんから伝言を預かってて」
「ボーシヤ？」


思わず眉を顰める。
彼が私に言付けをするなんて。


「うん。新しく新入りが入ったから挨拶したらどうだって」
「こんな夜に？」
「ビーチはむしろ、こんな夜からが本番だよ」
「…あぁ、そうだったね。夜が本番か」


ゲームをするものは会場に赴き、そう出ないものは楽園の名に相応しき楽しみ方をする。



「どこにいるの？」
「プールだよ、きっとそこにいる」
「そっか、タッタくんは出会ったの？新入りに」
「まだ。でもそのうち出会うんじゃねぇかな、新入りって珍しいから」
「そうなんだ」


一つだけ分かったことがある。
全員同時期に飛ばされたわけじゃないという事を、昨日のボーシヤの説明で何となく理解した。


「じゃあ、今から行ったら会えるのかな」
「多分な！あー俺も会いてえよ」
「タッタくんは？今から何するの？」
「明日のゲーム会場に使う車の点検だよ」


あーめんどくさい、と言うけれど、きっと彼なりにこの仕事が好きなんだろうなと伝わる。

ありがとう、伝えてくれて。と言うと、嬉しそうに「おう！」と言って部屋を出ていった。


「ビーチでのルール、か。」


壁にかけた水着を見ながら静かにため息をつく。


「水着なんて学生以来だよ…」


苦手なのになぁ、と1人呟いた。

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