親友 ページ43
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「いい？ニラギや他の連中が何を言ってきても、反抗しないで黙ってるんだよ」
「…分かってるよ」
「よく言うよ、今まで散々反抗的な態度とってるくせに」
呆れた様に言うチシヤにムッとする。
足早に歩く彼に追いつきながら苦言を呈そうとすると、ピタリと止まった彼の背中に顔をぶつけた。
「わっ！何、どうしたの…」
「どっから湧いてきた？呼んでねぇぞ」
問いかけると、廊下の奥で誰かの言い争う声が聞こえて思わず口を噤む。
ニラギがアリスに突っかかっていた。
その光景を見て、チシヤがコソッと耳打ちをしてきた。
「ああいう事を言われても、何も言わないんだよ」
「ねぇ、前から思ってたんだけど私の事お子ちゃまだと思ってる？」
「まさか」
耳元で喋られると吐息がかかって擽ったい。
「1人の女の人だと思って接してるよ」
黒の瞳と目が合う。
そのセリフに心臓の裏側を触られているような気持ちになって、思わず顔を背けた。
なんだか落ち着かない。
「彼は俺が呼んだ」
私の事なんてお構い無しで、チシヤが前に出ていく。
戸惑っているアリスと異様な空気を察したのか、ウサギが心配そうにアリスの方を見た。
またお前かチシヤ、と言うようにイライラしながら突っかかってくるニラギだが、少しだけ余裕があるように見えて首を傾げた。
嫌な予感がする。
なんだか怖くて、バレないようにコソッとチシヤのパーカーの袖をいつもの様に掴む。
ふと、不安そうなウサギに「あとで」と安心させるように言うアリスが目に入った。
2人は、きっとお互いが大切なんだろうな。
なんだかとても眩しくて、尊いもののように見えた。
私もできることなら外で待っておきたいけれど…。
掴んでいたパーカーからそっと手を離すと、タイミングよくチシヤが扉に手をかける。
「結構やばいことだろうねぇ」
アリスが覚悟したように前を見据えた。
ふと、鬼ごっこの際の、ドアノブを捻る時の顔に似ていて思わず目を細める。
彼は、きっと頼りないように見えてとても勇敢で勘が鋭い人だ。
それを見抜いているチシヤも、観察眼に優れている。
何かがアリスを強くさせた。
金髪の、「カルベ」と親しそうに話しかけていた男の人だろう。
他にももう1人親友がいたと聞いた。
私には、いない。
でもきっといたとして、もしその人が亡くなってしまったら。
私は再び前を向いて歩き出せるのかな。
「…A」
何も言わない私に、アリスがおずおずと話しかけた。
顔を上げると、2人と目が合う。
「大丈夫？」
「平気。ごめん、入ろう」
うん、とアリスが扉を開く中、チシヤだけはずっとこちらを見ていた。
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みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )！ 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません！笑 今後ともよろしくお願いします！ (2023年1月26日 2時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…！止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞･֊･՞！ 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです！チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです！更新楽しみにしております！ (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます！今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月18日 5時
