3人は決まり ページ28
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「あんた、ゲームは何回目？」
不意にクイナが問いかける。
「3回目かな」
「そんだけしときゃ上出来や。運転経験は？」
「あ…免許なら持ってる、けど」
そうなんや。と小さく呟く。
なんだか嫌な予感がして、「クイナ？」と呼びかけた。
「生憎やけどな、ウチはペーパードライバーどころか免許も持ってないねん」
「うそ、」
ということは、運転は出来ないということ。
周りを見ると、ちらほらと「どうしよう、運転なんか出来ないよ」とボヤいている人が何人かいた。
そういう人は強制的に、自分の命を他人に預けることになってしまう。
「…ほら、早く外に出な。車を選ぶのも重要やで」
「待ってよクイナ、他に運転できる人を探そう。私じゃ無理」
「無理じゃない、東京で運転できるやつなんかあんまおらんで」
そうかもしれないけど。
私だって自分の車を持っているわけじゃないし、ここ最近免許を取得した訳でもない。
ペーパードライバーと言うには慣れていて、他人の命を預かるには技術がない。
「…私も乗せてもらおうかしら」
考え込んでいると、後ろから深い声がした。
「…アン」
クイナが名前を呼んで初めて気づく。
幹部のお出ましに周りのプレイヤーはソワソワしている。
きっと彼女を誘いたいのだろう。
「あの！」と話しかけるプレイヤーに見向きもせず、ヒラヒラと手のひらで断りながらなんて事ないように私に話しかけた。
「私も免許を持っていないの。同乗させてくれる？」
「幹部が取り巻きもつれて来ず、おひとり様でゲームに挑戦か」
「ボーシヤやアグニと一緒にしないで。私は基本1人で動く」
クイナがふっ、と笑って私に目線を寄越した。
「…3人は決まりやな」
まるで私が運転するのは決定事項かのよう。更に勝手に外へ出て車を決め始める。
「ちょっと…」
「モタモタしてる時間なんかないわ、見て」
アンが顎でしゃくった先には、もう既に車が何台か出始めていた。
はっとスマホを見ると「残り時間12分」と書かれている。
「…行くしかない」
ふ、とルージュの唇を吊り上げたアンは、「まさか私の命を貴方に預ける日がくるなんてね」と言い残してヒールを鳴らしながらクイナの後ろに続いた。
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みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )！ 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません！笑 今後ともよろしくお願いします！ (2023年1月26日 2時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…！止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞･֊･՞！ 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです！チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです！更新楽しみにしております！ (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます！今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月18日 5時
