計画の為 ページ26
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「…何だか久しぶりだなぁ」
「何をのんびり言うとんねん」
呆れたような声が横から聞こえる。
先程、意を決してゲーム会場に入った際に「力みすぎや」と笑われた、クイナと名乗る女性。
「プールサイドで…」
「あー、そう。普段はチシヤと行動しとる、クイナや。よろしくな」
差し伸べられた手に手を重ねると、嬉しそうに飴を噛み砕いたのがほんの数刻前。
「エントリーを開始します」
不気味な黒いスマートフォンを手に取り顔認証を終わらせると、辺りを見回した。
中々の大人数。
それだけエントリーできる数が大きいということ。
「少人数のゲームも怖いけど、大人数も怖いですね。」
「敬語は要らんよ。かったるいの嫌いやねん。」
いつの間にか私の横を陣取ったクイナは、「せやなぁ。多くなればなるほど、意見は通り辛くなる。ハートじゃなきゃええんやけど」と言った。
やっぱり数をこなしている人からしても、ハートは苦手なんだな。
「チシヤはハートが得意やけどな。理解出来んわ。ダイヤもハートも無くなればええねん」
「スペードとクラブが得意なんだね、クイナは」
「クラブもなぁ…協力は…」
「チシヤがハート得意なのは何となく分かるな」
ふと、おじさんから貰ったスペードの5のトランプの存在を思い出した。
あれも難易度としては5なら、初めてのゲームの割にクリア出来たのは凄いのかもしれない。
「チシヤはな。まぁ、幹部やし」
「え、そうなの?」
「せやで」
腕を組むクイナ。
じゃあ、昨日幹部会議に行ったってことなのかな。
あんなに飄々として、どこにも取り入りませんみたいな空気を出しておきながら幹部なんだ。意外。
「まぁ幹部って言ってもな」
クイナが声を落とす。
「計画の為やけど」
そう続けたクイナは、私の表情を観察するようにじっと見た。
「計画?」と首を傾げながら見返したら、少しだけ焦った顔をして、「え?チシヤ、どういうことや。入れてないんか仲間に。話してないだけか?」とブツブツ言い始めた。
“計画”について聞こうと再度口を開きかけると、軽快な音楽がスマホから流れる。
瞬時にクイナの顔つきが変わった。
「エントリーを締め切りました。」
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みりん(プロフ) - はーとさん» わぁ嬉しいです( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ )! 褒め方が上手すぎて更新意欲が止まりません!笑 今後ともよろしくお願いします! (2023年1月26日 2時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
はーと(プロフ) - みりんさん» 本家のストーリーもありつつチシヤとのシーンがオリジナルで加えられていて最高です✨️✨無理はせずにこれからも更新お願いします🙇♂️これからも読ませていただきます^^ (2023年1月25日 17時) (レス) id: f292a3492c (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - そらのさん» 嬉しいです…!止まらなくて、気づいたらもう移行なのですが最後まで付き合ってくださるとありがたいです՞・֊・՞! 更新が捗ります🫶🏻 (2023年1月25日 4時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
そらの(プロフ) - 主様の小説本当好きです!チシヤの小説少ないのでこの作品が楽しみで仕方ないです!更新楽しみにしております! (2023年1月25日 4時) (レス) @page47 id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - はーとさん» 嬉しいコメントありがとうございますꈍ .̮ ꈍ こういうコメントのおかげで更新する気力が湧いてきます!今日も頑張りますね💪🏻( ¤̴̶̷̤́ ‧̫̮ ¤̴̶̷̤̀ ) (2023年1月25日 3時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みりん | 作成日時:2023年1月18日 5時