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悩む ページ4

思わず固まった私を見て、雨竜さんは罪悪感にまみれた顔になった

…嗚呼、そんな顔、させたかったわけじゃないのに




「いや、ごめんよ。平和な生活をしている君にこんなこと頼むのは、酷いことだね」



ごめん、ごめんよ

と彼は謝る




「…いえ、私こそ、すみません。あなたが言うことは当然ですから、謝らないでください」

「…君は前世の記憶があるからかな?随分と大人びているね」



まるで僕よりも年上だ

と彼は笑った





「…入隊するとなれば、何か試験はあるのですか?」

「まぁ、一応はあるけれど、大っぴらに何かが行われるわけじゃない。育手が判断することの方が多くなってる」

「一応、と呼ばれるものはあるのですね?」

「まぁね。でも、昔よりも鬼に対する因縁は薄れてるし、すでに減少しつつある隊員を確保するためにも、あんまりそんなに厳しいふるいはかけられてないんだ」




…ならば昔の最終選別よりも甘い、ということか

まぁ、あんな風に大量に人が死ぬような選別をこの現世でもやってたら、ばれたときに大問題だものね





「…あなたは、育手になれますか?」

「…え、俺!?な、なれるけど…」




先ほどまで温和な声と優しい笑顔で答えてくれていた雨竜さんは、私の問いにわたわたと慌てている




「う、うーん…なれる、かなぁ…どうなんだろう…。君、一応聞くけど、以前使っていた呼吸は?」

「星の呼吸です。雷の呼吸の派生の」

「雷の呼吸か…。俺は雨の呼吸で、水の呼吸の派生なんだ。」




そうか、雷かぁ…
雷なら、あいつかなぁ…
でもあいつはなぁ…



うんうん、と唸る雨竜さん

すると




ブーッ、ブーッ、ブーッ




「…あ、お父さんだ」




私の携帯が鋭く揺れた

雨竜さんははっと顔をあげて、こちらを向いた




「ごめんね、こんなに付き合わせて。良かったら、これ、俺の連絡先だから」



また何かあったら連絡してね





そう言って、彼は素早く消えた





(全集中、常中が、できていた)



あれで平隊士ならば、なかなかレベルが高いのでは?


そう思いながら父からの電話に出た




「…もしもし?」

『蓮香!どこにいるんだ!?駅まで迎えに行っても見つからないし…』

「ごめんなさい、友達と会って、おしゃべりに夢中になっちゃった」

『じゃあその友達の家にいるんだな!?父さん今から向かうからな!』

「…心配かけてごめんなさい、お父さん」

『…良かったよ、お前が無事で』




心底ほっとした、という声に、涙が出そうになった

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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年12月7日 11時

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