欠く ページ17
…最近、随分と寝不足が続いている
べつに、任務が増えたわけじゃない
むしろ私を鬼が探しているせいで、私の任務はめっきり減らされてしまった
だがその皺寄せが師匠や葵さんに行っているのに、呑気に私は寝ていられないのだ
師匠も葵さんも、口を酸っぱくして「寝なさい」と言うが、そんなことを聞いてはいられない
「ふわぁぁぁ…」
まぁその分、昼間はほとんど眠気に襲われている
授業中なんて、ほとんど起きていられない
よく冨岡先生や不死川先生に頭を引っ叩かれそうになるが、その直前で頑張って体を起こす
「…朝鳴、大丈夫か?」
そんな私を見かねてか、最近は炭治郎が声をかけてくるようになった
彼は授業中に眠っている私を、最初は叱ったりしたものの、私の目の下の隈を見てお説教を止めてくれた
「酷い隈だ…。眠れてないのか?」
「…うん、そうなんだ」
机に突っ伏したままの私の頭をそっと撫でてくれる
「やっぱりちゃんと病院に行ったほうがいい!さすがにおかしいぞ!」
「うーん…ほんとにただの寝不足なんだってば…」
最近はお説教じゃなくて、病院に行くような説得が始まっている
「蓮香ちゃーーーーん!」
「おい!親分が来てやったぞ!」
甲高い声で私を呼ぶのは我妻善逸
自身のことを親分と呼ぶのは嘴平伊之助
(気づけば子分にされていた)
この2人は炭治郎経由で仲良くなったのだが
まぁ前世の記憶がある私からすれば、この3人が一緒にいるのは至極当然のように感じている
…ただ…
「やめないか、善逸!」
「なんでだよ!お前だけ蓮香ちゃんとイチャイチャできるなんて許さないからな!」
「おい!起きろ!子分!」
…本当にうるさい
「…ちょっと保健室で寝てくる」
こんな感じで教室ではほとんど眠れないため、私はよく休み時間や放課後に保健室で眠るようにしている
保健室にいるのは、あの珠代さんである
(最初は本当にびっくりした)
寝不足なことを伝えると快くベッドを貸してくれたので、今でも頻繁に出入りしている
「…朝鳴さんね、構いませんよ」
「…すみません、ありがとうございます」
やっと、休める
一瞬で私の意識は微睡みに消えていった
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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年12月7日 11時