消えたがり 【3年A組】

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1人になりたくて、トイレの個室に入る



でも、隣の男子トイレから声が聞こえてきた




この声…宇佐美さん…？





宇「………本当は知ってるんでしょ？

はっ、みんなの前で懺悔させようとしても無駄だから！

あんな投稿バレたらそれこそ人生終わったも同然！

今まで積み上げてきたものがすべて崩れ去る！」




柊「随分やり逃げXに肩入れするんだなぁ。」





…肩入れ…？どうして…？


まるで自分がやり逃げXだって言ってるみたいだけど…





柊「名乗り出なきゃ誰か死ぬぞ。」



宇「…別にいいよ

…あたしじゃなければ…！」



どうしてそんな言い方するの…？


自分じゃなければなんて…無責任すぎる




隣の会話が聞こえなくなったと思い、そろそろ出ないといけないな…なんて考えていると、また別の声が聞こえてきた





茅「あの…これなんだけど…」


宇「…今の聞いてたの？」





この声、茅野さんかな…？


もしかして、茅野さんも聞いてたのかな…





でも宇佐美さんの問いに答えたのは、もっと凛とした声だった





諏「聞いてたよ」




そう諏訪さんだった

モデルをしてて、性格もはっきりとしている彼女が私はずっと苦手だった





諏「ここのトイレ、隣の声も結構聞こえるんだよね」






諏訪さんはたぶん、宇佐美さんが犯人だって確信してる









宇「言っとっけど、あたしじゃないから」

諏「クラスの人気者があんな投稿してたなんてバレたら……」

宇佐美「だからあたしじゃないって言ってんでしょ…！」





宇佐美さん…なのかな…






「これ…何ですか…?」
「あ、これ?友達が好きなキャラクター」
「そう…ですか…」
「でもね…私が崩しちゃったの」
「…え?」
「ごめん、なんでもないや…」





景山さんが悲しそうに、でも愛おしそうに眺めていたキャラクター

私はそれを宇佐美さんの鞄に付いていたのを見たことがある





もしかして、景山さんが言っていた「友達」が宇佐美さんなの…？



…でも…友達なら…なんで…？



私の頭の中は疑問でいっぱいだった






でも




「これで終わりだ!」






甲斐くんのその声で、現実に引き戻された






え？何があったの…？

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