・ ページ50
先生の話によると、その刑事さんは昔、教師だった
そのとき、教え子が他校の生徒からの暴力を受けて亡くなり、犯罪をなくしたいという強い気持ちの元で刑事になったそう
つまり、逆境を乗り越え、負の感情を跳ね返したということ
柊「ここにいる2人もそうだ」
先生の視線は真壁くんと熊沢さんに向けられていた
柊「真壁は、自分が選手として復帰できなかったときに相手を憎むのではなく、仲間をサポートする道を選んだ
熊沢だって、本当は景山に対して複雑な思いを抱いていたはずだ
だけど、彼女に勝とうと努力をして、負の感情を跳ね返した」
先生は里見くんに視線を戻す
柊「里見、お前はどうだ?
逆境を乗り越えようとしたか?
傷付いた悲しみを、明日の活力に変えられなかった
それが、お前の弱さだ!」
里「うるせぇんだよ!」
里見くんは思い切り立ち上がる
里「知ったような口ききやがって…!」
その勢いそのままに、真壁くんの胸ぐらを掴んだ
里「なんで俺がこいつより弱ぇんだよ!
おかしいだろ、なんでだよ…!
こんな奴に負けっかよ、こんな奴に!」
真壁くんは何も言わず、ただじっと里見くんを見つめていた
そっか…里見くんは景山さんが好きだったんだ…
でもたぶん景山さんが好きだったのは…
真壁くんだったんだ
里「なんなんだよ、その目は…!」
茅「真壁くんは弱くなんかないよ
澪奈が言ってた
“ 私が真壁くんの選手生命を奪った
でもだからこそ、彼の分まで努力して一分一秒でもはやくゴールするんだ、それが私のできることだから ” って…
澪奈がそう思えたのはきっと、悲しみや苦しみを乗り越えた真壁くんを見たからだと思う…!」
里見くんの手が力なく真壁くんから離れる
里「知ってたよ…
こいつが、真壁が俺より強えって、取り返しのつかないことしたって…
そんなん知ってた!
…殴ってくれよ…殴れよ・・・!
おい、殴ってくれよ・・・!」
真「景山は、きっとそんなこと望んじゃいないよ…
この悲しみを、力に変えてくれ里見…
景山のぶんまで…」
いい…友達だなぁ…
里見くんに罪の意識が芽生えたからこそ生まれた友情なのかな…
そんなことを呑気に考えていた
柊「刑事さん…
今僕が語ったことは、あくまで理想論です
でも、現実はそんなに甘くない」
────チャキッ
先生は私たちに銃をむけるまでは
1615人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sei(プロフ) - 楽しんで読ませてもらってます!私にもその文才欲しいくらいです。・゜゜(ノД`) (2019年3月21日 17時) (レス) id: cd07a6348c (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 諸行無常系女子さん» ありがとうございます!頑張りますね( ̄^ ̄)ゞ (2019年3月18日 18時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
諸行無常系女子 - 楽しく読ませてもらってます!これからも頑張ってください(*^o^*) (2019年3月18日 14時) (レス) id: 30d23c8fcb (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - ラビットさん» ありがとうございます!ラビットさんのお言葉、とっても励みになります! (2019年3月17日 23時) (レス) id: f818c9f9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ラビット(プロフ) - ものすごく面白くて続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年3月17日 19時) (レス) id: 80ad6ef553 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年3月14日 20時