事件 ページ20
つんざくような悲鳴に小さな名探偵は弾かれたように駆け出した
対してニコラは煩わしげにそちらに視線をよこしただけだった
(…チッ、何か面倒が起こったのか？)
駆けつけた名探偵、コナンの目の前には倒れた女性の姿が
喉元を押さえ、苦悶の表情を浮かべながらピクピクと痙攣しているがすぐに動かなくなった
(アーモンド臭…青酸カリか…！？)
そこに毛利小五郎も駆けつけ、事態を察すると蘭に警察と救急車を呼ぶように指示し、フロア一体を締め切るように叫んだ
「みなさん！動かないでください！
…ってガキは勝手に遺体に触れるんじゃねぇ！」
ぶぉん、と首元を掴んでコナンを放り投げる小五郎
「いってぇ！」
コロコロとコナンは転がっていき、終いにはエステルのそばまで飛ばされてしまった
「…えっと、大丈夫、ですか…？」
「う、うん、ありがとうお姉さん」
躊躇いながらもエステルは手を差し出し、コナンはそれを掴んで立ち上がった
(彼女の口からアーモンド臭がしたから、青酸カリの服毒が死因だろうけど…こんな状態で何かを口にするか…？)
そう、何せ今はルパン3世が現れた、という緊急時であり、避難の途中だったのだ
この状態で何かを食べる、というのはあまりにも目立つ
(確かルビーの展示室には菓子が用意されていたな…)
うんうん、と唸っているコナンの側で、エステルはこの緊急事態を利用してどうにかここから抜け出せないかと思案していた
(今、名探偵さんは事件に夢中…ニコラさんはここから離れられないだろうし…上手くいけばルパンさんと合流できる…！)
小さな体は大きな大人たちに紛れるには充分だった
ざわざわと不安そうに話し合う大人たちは仕切りに身を寄せ合っている
エステルのような小さな少女がその後ろに隠れることなど造作もなかった
(…これなら、出口に行ける…！)
ルパン達と過ごした平和な日々が、エステルを鈍らせてしまった
ビリッ
小さな電流が流れた音と少女がくたりと倒れた音は、大人たちの声で聞こえない
「
銀髪の男、アランの腕には気を失ったエステルと、鈍く黒光りするスタンガンが握られていた
「マスター、捕獲完了です」
「よくやった、事務室にいろ、逃すな」
「
終わり
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バボちゃん(プロフ) - wo*rupisuさん» コメント、ありがとうございます！応援していただけると、頑張れます！！ (2020年1月18日 19時) (
レス) id: ca4df633c8 (このIDを非表示/違反報告)
wo*rupisu(プロフ) - 面白いです！更新頑張って下さい！！┏● (2020年1月17日 1時) (レス) id: 1ef614f15d (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 人形師さん» コメントありがとうございます！ゆっくりですが、更新していくので、これからもよろしくお願いします！ (2019年12月18日 1時) (レス) id: ca4df633c8 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります。応援してます！！ (2019年12月15日 6時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» コメント、ありがとうございます！賭ケグルイのお話も進めようとは思っております！忙しくてなかなか更新できなかったんですけど、これからは更新できそうなのでしていこうと思います！よろしくお願いします！ (2019年11月24日 12時) (レス) id: ca4df633c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バボちゃん | 作成日時：2019年9月14日 1時
