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最悪 ページ19

(どうしよう…どうしよう…!)




両手を繋がれた今、逃げ出すなんてできない


それに…




(すごい探偵さんに見られてる…!)





とにかく人がいる方へ、と言われ走っている最中なのだが、彼からの視線が痛い、痛すぎる






「蘭!ここにいたのか!」

「お父さん!」




(…また、知らない人)





奇妙な髭を生やした男性が " 蘭姉ちゃん " と呼ばれていた人に駆け寄ってくる





「って誰だ?その子…」

「コナン君と一緒にいたの…親ともはぐれちゃったみたい」

「じょーちゃん、家族はどーした」




グイッと顔を近づけられて、思わず数歩下がる





「…おじさん、怖がってるよ」

「そうよお父さん!もっと優しく!」

「お前らうるせぇ!」




ギャイギャイと言い合っている3人に、ギュッと胸が痛くなった






(…ルパンさんに、会いたい)





一度溢れてしまえば、もう止まらない


ポロポロと小さな瞳から涙がこぼれ落ちた





「…お姉さん?」

「エステルちゃん…?」






少し、申し訳なさそうに、

探偵さんがこっちに手を伸ばしたときだった






「…おや?懐かしい顔じゃないか」




ビクン、と体がはねた







(違う、違う、知らない人だ…)




「あなたは…この展示会のオーナーの…」

「そうです。ニコラ、と申します。いやぁ、あなたのような名探偵に知られているなんて光栄だ」



女性を虜にしそうなほど美しく微笑む男

ニコラはその笑みのまま、視線をエステルに向けた




「…こんにちは、エステル」




(…どう、しよう)



答えられなくて、目を合わせられなくて

探偵さんの手を強く握っただけだった





「この子のことをご存知なので?」

「えぇ、まぁ。本人は覚えていないかもしれませんがね。彼女が小さい頃に会っているんです」

「それじゃあ!エステルちゃんのご両親ともお知り合いなんですね!」

「はい。エステル、こっちにおいで。お母さんが君を探していたよ」






ポンポンと進む会話に体が震える





「…お姉さん大丈夫?」





唯一エステルの変化に気がついているコナンだったが、彼女がどうしてここまで怯えているのかなどわかるはずもない



ただ、彼女の様子は普通ではなかった


冷や汗をかき、コナンと繋がっている手は冷たく震えている




(…なんなんだ、この2人。ルパンとの関係も全く読めないぞ…?)





「エステル、おいで」





ニコラが手を伸ばしたその瞬間だった




「きゃあぁぁぁ!」



つんざくような悲鳴が探偵の耳に飛び込んだ

事件→←各々



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バボちゃん(プロフ) - wo*rupisuさん» コメント、ありがとうございます!応援していただけると、頑張れます!! (2020年1月18日 19時) (レス) id: ca4df633c8 (このIDを非表示/違反報告)
wo*rupisu(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい!!┏● (2020年1月17日 1時) (レス) id: 1ef614f15d (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 人形師さん» コメントありがとうございます!ゆっくりですが、更新していくので、これからもよろしくお願いします! (2019年12月18日 1時) (レス) id: ca4df633c8 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります。応援してます!! (2019年12月15日 6時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
バボちゃん(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» コメント、ありがとうございます!賭ケグルイのお話も進めようとは思っております!忙しくてなかなか更新できなかったんですけど、これからは更新できそうなのでしていこうと思います!よろしくお願いします! (2019年11月24日 12時) (レス) id: ca4df633c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バボちゃん | 作成日時:2019年9月14日 1時

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