☆蒸発 ページ4
「痛っ…。」
左足に痛みを感じ目を向けると
植物の棘が足に引っかかり傷を作っていた。
最高に苛立っていた私を踏みつけるつもりで
足を上げた…だが。
「…あれっ?ちょ、ちょっと私何してるんでしょうか…!こんなの植物が可哀想ですよね。」
なぜさっきまであんなに苛立っていたのか
もはや分からなくなっていた。
校則違反した私が悪いんだから、
何かを責めるなんて御門違いだろう。
「さ、登りきってしまわないと、こういう斜面に立っているのが一番しんどいんですから。」
見上げればゴールはすぐそこにあった。
最後、大きな段差を無理やり飛んで上がると、
見たことも無かったオンボロ校舎が
目の前にあった。
…ここがE組の校舎か
また、少しの屈辱が現れようとするが
理性で必死に抑えつける。
「E組だってそんなに悪いとこじゃ
無いかも知れませんし…」
暗示の様に何度も繰り返した、
まぁ、嘘ではない。
私はそこまでE組を最悪な場所だとは
思っていなかったから。
そう、別にE組は嫌いじゃないし、馬鹿なわけでも無いと思ってた。
しかし、他の奴らに馬鹿にされ蔑まれるのは
嫌だった…。
「まぁ、仕方がありませんが。」
さっきまで浮かんでいた涙は
頰を伝うことなく蒸発していた。
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作者名:いまりん | 作成日時:2017年8月10日 1時