47話 ページ49
「なァ……お前、知ってるか⁇」
サボの問いかけにザイルがイラついたように眉を寄せた。
そんな彼をみて得意げに笑って口を開いた。
「Aは優しい。案外素直だしものわかりもいい。でもいつも強がるし他人の事すぐ庇うし、自分を軽く扱うし…正直手がかかる。」
訳がわからない私とザイルはただ彼の言葉を聞く事しかできなかった。
サボが続ける。
「本人は気付いてねぇけど、誤魔化す時は人の目を見ないクセがある。あと意外と泣き虫だ‼︎」
「…記憶だけじゃ足りねェ。わからねェ‼︎こいつが養子だろうがなんだろうが、どこの家に産まれていようが‼︎そんな事はどうでもいい‼︎」
大きく息を吸ってサボはまた言った。
「記憶だけが全てじゃねェ‼俺たちは今まで向き合ってきた‼︎何も知らねェ奴に、Aを渡す訳にはいかねェんだよ‼︎‼︎」
サボが叫ぶと一瞬しーん…とした。
胸が暖かい。
なんで、サボの言葉はこんなに真っ直ぐ私の胸に届くんだろう。
不意にサボが私の方へ目を向けた。
その目はまるで愛しいと言ってきてるよう…って、つけあがっちゃうよ。
そんな風に見ないで。
サボに見つめられて目が反らせない。
甘い静寂を破ったのは不気味な笑いだった。
「…フッ…ハハハッ…‼︎」
ヨロヨロと立ち上がって、ザイルはサボを睨んだ。
「記憶ってのはなァ…ッ…そいつの人生だ‼︎」
「記憶だけが全てじゃねェ？笑わせるな‼︎すぐに後悔することになるぞ…‼︎」
ザイルが私のほうへ突っ込んで来る。
私が身動きを取れずに目をつむるとサボが私の腕を引いて私を庇った。
ザイルがサボの背中に触れた時、眩しい光と共にザイルの声が聞こえた。
「”キオキオ”ロストメモリー」
「…A………」
サボは消えそうな声で私の名前を呼んで、その場に倒れてしまった。
「サボに何したの⁉︎⁉︎」
「一番大切なモノの記憶」
「！！！」
「それを忘れさせた。」
「今すぐ治して‼︎‼︎」
「それは術者の俺にもできない。まァ…精々頑張れよ」
そう言って背を向けると、ザイルはこの部屋から出て行った。
後を追っても天竜人の姿と共にザイルの姿も消えていた。
サボへと戻って、急いでこの屋敷を出た。
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いまり(プロフ) - ピーチさん» いつも見てくださりありがとうございます(^^)今日も更新するので読んでいただけると嬉しいです！ (2015年7月24日 8時) (
レス) id: 5b4a04795c (このIDを非表示/違反報告)
いまり(プロフ) - 大和さん» ありがとうございます♪最近遅れ気味ですが、更新頑張ります(^^) (2015年7月24日 8時) (レス) id: 5b4a04795c (このIDを非表示/違反報告)
ピーチ(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！サボってば、本当にイケメン〜！これからも頑張って下さいね！ (2015年7月23日 17時) (レス) id: bcab0daf4a (このIDを非表示/違反報告)
大和 - サボ、可愛いしかっこいいし…更新楽しみにしてます！！ (2015年7月23日 9時) (レス) id: 07dedc38f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いまり | 作成日時：2015年6月29日 19時
