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…迷子になった。


玲夜がいれば、飴とかくれて元気づけてくれたのに。


宛もなく、ただうろうろとする。


「え、て、天女様!?」


振り向くと、ぽっちゃりした男の子がいた。


すごい、ほっぺぷにぷにだ。


「ご、ごめんなさぁい!」


「え、なに急に…!?」


泣き出した。


え、どうしよ…。


客観的に見たら僕が泣かせたみたいに見えるよね、それこそ天女だと思われて殺されてしまう。


「ご、ごめん、怖かった?そうだよな、うん。あ、甘いものあるけど食べるかな?」


「甘いもの!?」


わあ凄い、一瞬で泣き止んだ。


好きでいつも持ち歩いてたのが良かった。


ポケットを探り、プラスチックの袋に入ったクッキーを取り出す。


シュガークッキー、チョコクッキー、バタークッキー。


袋を開けて、ぽっちゃりくんの手にクッキーを落とした。


「これね、クッキーっていうんだ。サクサクで美味しいんだよ」


室町時代にクッキーなんてあるのかな。


「いいんですか!?いただきまぁす!」


あー、ほっぺぷにぷに。


玲夜もいっぱい食べてたな。


「いいよいいよ、いっぱい食べてな」


「〜〜〜おいしいぃい!」


可愛いなぁ。


「これ全部あげる」


ポケットからもっと取り出してぽっちゃりくんの手に握らせた。


「ありがとうございますぅ!…あのぉ、貴方のお名前は?」


「A、浦霧 A。一応こんななりでも男。君は?」


「福富しんべヱです!…あの、Aさんって呼んでもいいですかぁ?」


思わず笑みがこぼれる。


「いいよ、好きなように呼んで」


でも、信用するの早くないか…?


「待って、しんべえくん。僕は一応天女と呼ばれる類の人間なんだよ?」


「いいえ!Aさんは天女なんかじゃないです!」


「そう言ってくれるのか。君はいい子だね」


頭を撫でると、ぷにっぷにのほっぺたを更にぷにっぷにと揺らして笑う。


足音が近づいてきた。


「しんべえ、こんな所で何し…って、天女!」


「違うよきり丸、天女じゃなくてAさんだよ〜」


ここにいてはまずい気がする。


「じゃあしんべえくん、またね。僕は自分の部屋を探さなきゃ」


「は…?待てよ、天女!いつもみたいに、先輩方の部屋に居候すればいいじゃねぇか!」


うわ、前の天女はそんなことしてたんだ。


「きり丸くん、だっけ?僕を天女と一緒にしないでよ。大体、僕は男だ」


「関係ない!お前は天女だ!」


話しても無駄、か。


さっさと行こう。

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設定タグ:忍たま , 天女 , 男主、BL
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- 面白いです。お互い更新頑張りましょう (9月9日 13時) (レス) id: ffd33a398f (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ほたる(プロフ) - すごく面白いです!!!更新楽しみにしてます〜!! (8月17日 9時) (レス) id: 1600cbbb8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:死雷夢 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年8月16日 13時

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