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半ば無理やり連れてこられたのは、達筆で忍術学園と書いてある門の前。


学校なのか、ここは。


随分と和風で、古そうな建物。


…玲夜、いるかな。


玲夜のことを考えるとまた瞳が潤んできて、ぐしぐしと片手で擦る。


「あ、ろ、六年生の皆さん、お帰りなさ〜い…って、天女様!よ、ようこそっ、にん、忍術学園へっ」


事務と書かれた札をつけた人が出てきた。


明らかに怯えている。


「て、天女様、こ、こちらにサインを…ひっ」


目が合うと、引き攣った悲鳴をあげて目をそらされた。


やってしまったとでも言うような顔をして、再度作り笑顔を浮かべ僕を見る。


「おろして」


「…もそ」


ひょいっと飛び降りて、その人の前に行く。


筆を受け取って、少し苦戦しながらも浦霧 Aと書いて筆を返す。


「はい。ちょっと字汚いかも、読みにくかったらごめんなさい」


「ぇ?あ…ありがとう、ございます」


「では天女様、こちらへ」


僕の手を取ろうとする色白くんの手を引っ叩き、傷だらけさんについて行く。


傷だらけさん、なるべく揺らさないようにしてくれてたし、優しいのかもしれない。この6人の中で一番好き。


しばらく歩いていると、大きめの部屋の前についた。


「学園長先生、天女様をお連れいたしました」


「うむ。入れ」


「失礼します」


す、と襖を開け、中に入るよう促される。


「失礼します」


入る前にそう言い、入った後は45度のお辞儀をする。


他の人達はいなくなっていた、多分天井裏に行ったのだろう。


殺気や気配を感じて居心地が悪いながらも、示された座布団に正座する。


二足歩行の犬がお茶を持ってきてくれた。


…犬?


「ヘム!ヘムヘム」


喋った。

し ゃ べ っ た。


ヘム、しか言わないけど喋った。


ロボット…だろうか。


「天女殿」


厳かな声に目線をそちらに戻す。


「私は大川平次渦正と申す、この忍術学園の学園長をしておる」


おおかわ、へいじうずまきさん。


名前長いな。


「お初にお目にかかります、学園長殿。僕は浦霧 Aと申します。このような見た目をしておりますが、性は男であります」


天井裏の気配が少しざわつく。


やはり、勘違いされていたようだ。


「…男?…う、うむ。して、つかぬことを聞くがお主がいた時代はヘイセイかレイワと呼ばれる時代であろうか」


そりゃそうじゃん。


「はい」


「もう知っておるかもしれんが、一応言っておこう。ここは室町時代じゃ」

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設定タグ:忍たま , 天女 , 男主、BL
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- 面白いです。お互い更新頑張りましょう (9月9日 13時) (レス) id: ffd33a398f (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ほたる(プロフ) - すごく面白いです!!!更新楽しみにしてます〜!! (8月17日 9時) (レス) id: 1600cbbb8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:死雷夢 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年8月16日 13時

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