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十一 ページ12

ひょい、と顔をのぞかせたのは、あの時のポニーテール色白野郎。


「先ほどぶりですね、天人様。またお会いできて嬉しいかぎりです」


「そうですか。僕はこれっぽっちも嬉しくないんですけれど」


お互い睨み合う。


ぺらぺらの笑顔を貼り付けているけれど、目は笑っていない。


「天人様、そんな怖い顔をなさらないでください。折角お美しいのに…」


「ぺらっぺらの能面みたいなツラして良く言いますね」


少し驚いたように彼の眉が上がった。


「そんなことより、邪魔なんですけど…。そこのバナナ連れてどっか行ってください」


「ば、バナナ…」


斉藤が少しショックを受けたような声色でつぶやく。


「ですが天人様はこれから生活する部屋がどこにあるかをご存知ないでしょう?」


「…それは案内役が悪いのでは?急にキスしようとしてきやがるような野郎に部屋案内任せるわけないでしょうが」


あれは本当に気持ち悪かった。


僕がキスしたいって思うのは玲夜だけだし、食べられたいと思うのも玲夜だけ。


ああ、いっそ玲夜と僕以外の全人類が消えちゃえばなぁ。


「それは…伊作が、無礼を働きました。申し訳ございません」


ポニーテールの声に、現実へと引き戻される。


「伊作はお好きではありませんでしたか。でしたら私などはどうですか?天人様のお相手になれるなんて、光栄です」


思ってもいないことを笑顔でつらつらと述べるそいつの顔は。


忍者と言うより、まるで…


「道化師みたい」


「なんと?」


「馬鹿で愚かな道化師(ピエロ)みたいって言ったんだよ」


未だショックで固まっている斉藤を押しのけ、廊下に歩みを進めた。


玲夜がこの世界にいるんだ。僕はまだ死ねない。


それに、カイと約束した。


この世界を直すって。


くる、と振り返り、唖然としているポニテに向かって声をかける。


「部屋、案内してくれるんでしょ?とっとと行こう」

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- 面白いです。お互い更新頑張りましょう (9月9日 13時) (レス) id: ffd33a398f (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ほたる(プロフ) - すごく面白いです!!!更新楽しみにしてます〜!! (8月17日 9時) (レス) id: 1600cbbb8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:死雷夢 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年8月16日 13時

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