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目を開ければ、眩しい光が飛び込んでくる。


ここはどこ?玲夜は?


むく、と起き上がれば、湿った草が手に絡みつく。


玲夜がいない。


僕の大事な恋人。一生愛し続けると誓った、最愛の人。


「玲夜…?どこ、玲夜」


僕の声が、虚しく木霊して消えていく。


「玲夜、れいやぁっ!ふ、ぐすっ」


涙がぽろぽろ勝手にこぼれ落ち、口からは嗚咽が漏れる。


「やだやだ、どこにいるの…?ねぇ、玲夜っ」


探しても探しても、玲夜はいない。


胸元でおそろいのペンダントが揺れ、鈴の音がなる。


瞬間、空気を切り裂いて何かが飛んできた。


「!っ、」


咄嗟に飛び退いてかわす。


「なに、これ」


折り紙でよく見る、シュリケンってやつ。


「おい文次郎!生きたまま連れ帰るように言われただろう!」


「知るか!天女は俺が殺す!」


6人の男の人が飛び出してきた。


面白い服装をしている。


…玲夜はいない。


テンニョってなに。そしてこの人たちは誰。


「天女様、初めまして。文次郎が失礼しました」


ポニーテールで色白の人が作り笑顔を僕に向ける。


「…」


シュリケンを地面から引き抜いて、モンジロウと呼ばれたそいつにぶん投げた。


「ほら、返すよ」


「うぉっ!?」


まあ、普通に避けられたけど。


「何をする!」


「何って、君が僕にしたことだけど、なにか?それより、君たち誰?」


「誰って…ご存知でしょう?」


知るわけないじゃん。


「初対面で知ってるわけないでしょ、馬鹿なの?逆に、君たちは僕のこと知ってんの?」


「はい、存じ上げておりますよ、天女様」


「僕は天女じゃないよ」


睨みながらそう言えば、ぴり、と空気がピリつく。


「いいえ、貴女は天女様ですよ。このようにお美しい方が天女様でないはずがない」


薄い茶髪の人が、これまた作り笑顔を浮かべながらそう言って、僕の頬に触れてくる。


玲夜以外に顔を触られるのは嫌だ。


ぱし、と手を振り払うも、腕を掴まれてしまった。


「さあ天女様、我々と一緒に行きましょう!」


もしゃもしゃ頭の人が拳を突き上げて言う。


傷だらけの人がひょい、と僕を抱え上げた。


「…もそ」


「っはぁ?!ちょ、おろして!おろせよ、このっ」


「天女様、あまり暴れると落ちてしまいますよ」


「落ちたいんだよっ!おろせったら」


じたばたと暴れるも、がっつり抑え込まれてしまう。


そのまま彼らは走り出した。

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設定タグ:忍たま , 天女 , 男主、BL
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- 面白いです。お互い更新頑張りましょう (9月9日 13時) (レス) id: ffd33a398f (このIDを非表示/違反報告)
夜桜ほたる(プロフ) - すごく面白いです!!!更新楽しみにしてます〜!! (8月17日 9時) (レス) id: 1600cbbb8f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:死雷夢 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年8月16日 13時

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