☆79話☆ ページ10
エリザベスside
「Aがメリオダス様に贈った、剣……」
「ああ」とケインさんは頷く。でも、これが今ここにあるということは、メリオダス様は受け取らなかったのでしょう。
続けてケインさんは私に訪ねてきた。
「お前さん、メリオダスがなぜ剣を持たぬか知っておるか?」
私は首を横に振ります。
まだ短い期間ですが、メリオダス様がまともな剣を持って戦うのを見た事がない。
Aはどうなんだろう…
「強すぎるじゃよ。やつと剣で戦って勝った者はおらん。…そして同時に、優しすぎるんじゃ…」
―――――『剣は不要だ。俺は誰も殺したくねぇ』
「じゃから儂が預かっておる」
「そうなんですか…」
返す言葉が見つからず、流れる気まずい沈黙。どうしようと思った時だった。
階段の方から、コツコツと誰かが降りてくる音がした。
ホークちゃん、でしょうか…
私の予想は半分が正解で。
「なぁ、無理すんなよ寝とけって」」
「してないよ。大丈夫」
そして、半分不正解。
「A!?」
「やっほーエリザベス、心配かけてごめんね」
にへらと笑い、私にひらひら手を振り近づく。顔色はさっきよりはよくなったけど、でも不安な気持ちはなくならない。
「えっと、ケインさん…だったっけ?」
「あ、あぁ…」
「私A、よろしくね」
「ケインじゃ」
本当は違うのに、はじめましての挨拶を交わす二人。気丈に振る舞うケインさんは、何を考えてらっしゃるのでしょう。
「?その剣なに?綺麗だね」
私とケインさんは、 Aの記憶を混乱させないため【リズさんがメリオダス様に贈った剣】ということにして全てを話した。
彼女は疑うことなくそれを聞き入れた。
「ふ〜ん。確かに団長強いしね、それにすっごく優しい。あと、甘っちょろい」
「え?甘っちょろい?」
「うん。優しすぎるから、甘いんだよ。…!」
突然、大きな地震がした。身体中に嫌な感覚が走る。なんだか、とても嫌な予感がした。
二人が言うには、近くの森から巨大な魔力がぶつかり合っているそうだ。
「団長…!」
「あ、A!!」
引き止める余裕もなく、Aは店から飛び出していった。
右手にはしっかり、あの剣を握りしめて。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー大罪キャラ
ディアンヌ「ねぇねぇ!ボクと一緒に遊ばない?」
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リオ(プロフ) - リムルさん» いえ!そんなそんな…ありがとうございます!! (2019年7月13日 23時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
リムル - 我より1000000000000000000000倍ぐらい文を書くのが上手! (2019年7月13日 11時) (レス) id: 8728c9d5e2 (このIDを非表示/違反報告)
リムル - 感想:我感動! (2019年7月13日 11時) (レス) id: 8728c9d5e2 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 咲無さん» じゃあこみゅーに移動ね! (2016年6月1日 20時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 咲無さん» おいおい…w わかったよー! (2016年6月1日 17時) (レス) id: 9dca1ab2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リオ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rio1001/
作成日時:2016年2月7日 20時